統計学をやっていると、
その前提知識として、
線形代数、解析、集合論のような、
基礎概念を知ることになる。
これらは物理学や工学など、
他の分野にも関わっており、
数学単独では一発で理解しづらい場合がある。
ある程度の複雑さがあるためだ。
そのぶん、理解してしまえば、
複雑な現象をシンプルに解釈できる。
「Excelの行と列は、線形代数(=行列計算)と同様の構造である」
「貸借対照表の変化の差分である損益計算書は、微分と同様の構造である」
といったように。
アナリスト時代にこの原理原則を知った上で、
総合商社からメガバンクや外資証券から日銀まで、
クライアントを横展開して駆け抜けていった。
みんな忙しい方々ばかりだったから、
極力シンプルなレポート執筆と、
一発で解ってもらう構成につとめていた。
マーケットで事象が多々発生し、
1日ごとにアップデートされるからこそ、
洞察が喜ばれたということだ。
現実解。
「なんでもかんでもシンプル化だけ」
だと、そもそも実情が読めなくなる。
複雑な物事をシンプルに言い表すには、
複雑さにそのまま挑戦して鍛えられることも必要。
boxcox.net、遠藤武。