分析:ITシステムが変わってきている。

daily11 スモール分析。

「ITシステムの費用って、なんで初期で数百万円や数千万円取るんですか?最近はサブスクで様子が変わってきた印象もあるのですが。。」

 

確かにシステム周りの初期費用はお高い印象があるが、サブスクの月額課金で様子が変わって来ています。

ひとつは「システムを作り込むことや、カスタマイズすることをやめた」点にあります。

もうひとつは「そもそもシステムとは作り込むゆえに値段が高いものであった」点もあります。

どちらが良くどちらが悪いという話ではなく、現在進行形の在り方と、過去の商習慣が混在しているのです。

もともとのITシステムは企業ごとにサーバーを立てて作る、まるで自社ビルのような位置付けでした。ソフトウェアの設計・制作・調整、ハードウェアの納品、作る技術者の人件費…が、1社ごとにかかりますね。

サブスクリプションの月額数千円というシステムは、現在進行形でクラウドが強化され、標準化されたシステムを用いるほうが楽でわかりやすいとわかったからこそ、成り立っています。1社ごとの設計・制作・調整や納品や人件費は、かかりません。ちょうど、ゲームソフトを買うかのように標準化されていると言えます(サブスク以前から標準化された基幹システム系ソフトウェアはありましたが、より顕著になったと言えます)。

今でも導入に数百万円かかり、競合他社はサブスクリプション…というシステムは存在します。

このようなシステムは、結果としてグレーゾーンで暴利を貪っているのが実情です。

というのも「どうしても〇〇というシステムが気になる!」という情緒と機能の名指しブランディングではなく、昔ながらの商習慣にあぐらをかいているためです。

どこの会社とは言いませんが、中小企業向け基幹システムの老舗と呼ばれる企業は「どうしてもその企業のそのシステムがいい!」という積極的理由で使われているわけではありません。ゆえにインターフェースや使用感が必ずしも良いとは言えず、構造的にあぐらをかく低レベルな状態が放置されてしまったのです。

マネーフォワードやfreeeのような会計システムは、それだけ周りの偏差値が低いところで、確実に楽勝できる環境を作って広まっています。ユーザーに愛されることも、純粋に操作していてワクワクするという点も、自動化してラクができるという機能も、斬新に思えます。

が、ひとつ疑いの目を持つと、そのような情緒も機能も、ゲーム業界を見習えば本来なら20年や30年前に実現できたかもしれません。

ITシステムに限った話ではありませんが、このような様子の変え方ひとつで大きく変わるという事例は、数限りなくあると思います。

ユーザー目線に立つだけで勝ててしまうなら、今やっている仕事をほんの少し変えるだけで、そのまま大ブレイクする可能性も十分にあります。

ITシステムの変わりようは、そんな事実をこっそり教えてくれているのです。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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