経営:「中小企業」の規模が、中小で止まっている理由。

daily11 スモール分析。

中小企業が、中小で止まっている理由は、そもそも顧客を取ることができないためだ。

この本質には、3つの軸がある。

(1)「欲しい!」ではなく「仕方なしに買われる」だけである

(2)「欲しい!」と明確に言われるが、行動の質と量が小粒である

(3)そもそも市場規模に限界がある

 

(1)「欲しい!」ではなく「仕方なしに買われる」だけである状態については、99%の企業や事業が陥っている状況だろう。

要は下請け業・代行業どまりであり、Value(バリュー:提供する価値と組織の価値観)がボヤけていて、すべてが消極的である。

このケースは、単刀直入に申し上げると、世の中からナメられているだけだ。

1日でも1秒でも早く、自社や自分の価値をはっきりし、世の中に出す以外にない。

このまま放っておくと、この世から消えてしまいかねない状態だ。

 

(2)「欲しい!」と言われるが、思考と行動の質と量が小粒である状態については、価値はあるものの、ブラッシュアップしきれていない状態である。

下請け業・代行業であっても、価値を出し切れていなかったり、「お客様に喜んでもらう価値」についての感度があいまいで、積極性に欠ける状態だと言ってよい。

「悪くはないけどイマイチ」であり、業界や扱う商材・サービスが下支えしてくれているため、実力が低いままであるケースが目立つ。

とはいえこのケースは、ある程度勝ちやすい場所にいるため、その他大勢の小粒にならず、ブラッシュアップすれば勝ちにいける。

そうでないまま放置すると、どこかで(1)の「仕方なしに買われる」に落ちていくため、注意が必要だが。

 

(3)そもそも市場規模に限界があるという状態は、現状維持をやめることであり、ある意味で手強い(特に製造業がこれに陥っていることが極めて多い)。

とはいえ、現状維持を捨てるというのは、ある意味では快感だ。

ニッチトップを得たところまでは良いが、市場規模や組織規模が小さく、手詰まりを起こしている状態は、しんどい。

人間は、しんどい状態から抜け出すことにかけては、誰もがフツフツと妄想するものである。

妄想が叶った際には、心のスカッと感は計り知れない。

真面目な人ほど「妄想に逃げろというのか!」と声を荒らげそうだが、ある意味で正しい。

何も空虚な妄言に逃げろというのではなく、今いる場と別な視点を持つほうが、面白くなるということである。

ふと別な視点を持ち妄想した結果、異分野でも実は楽勝できるというきっかけが見つかり、有利に動ける範囲を定め、半歩や一歩を踏み出したとしよう。

その際の心の浄化は、計り知れないのではないだろうか。

現に、異分野に既存の技術を適用するというのは、新たなビジネスであれば誰もがやっているし、そのおかげで見つかる物事は数多い。

例えば、今使っているスマホやパソコンも、もともとは算盤や歯車や軍用品といったところから来ている。そこにデザインや使い心地や面白さの概念を組み込むことで、誰もが活用できる形に進化していった。

さらに、持ち前の技術を、別分野に適用したり、既にあるノウハウを横展開するというのは、誰もがやっていることである。

例えば、本業が技術者やエンジニアといった専門家の人が、商業出版で執筆やコンテンツビジネスをしていくように、有利に「欲しい!」と言ってもらえる別な流れを用意することで、更に進化できる(技術を教えたり、ノウハウを伝承するビジネスを作ってしまうのもよいだろう)。

既存の実力と信頼があるならば、これを上方向に手放し、脱皮するかのごとく次のステップに進む必要があるのだ。

 

現実解。

顧客を取ることができる限界値を超える発想があれば、先に進める。

極めてシンプルだが、多くの人がやっていないことには、常に取り組む価値があるんだよね。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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