「問題解決!」という言葉を誰でも振りかざすようになって久しいが、それは三流でもできる。
実力のある人は、前もって問題が生じないように仕組み化やお膳立てをしておくものである。
その都度問題解決ばかりに気を取られるのは、段取りが悪かったり、テンプレート化していないだけであり、その場しのぎをしているだけなのだ。
あるいは「問題は解決しないこともある」という仮説を立てる知的生産ができないケースもある。
分別がある人は、グレーゾーンを不用意に明確化せず、逃げ道を残しながら対応することに長けている。
というのも、無理に解決させようとしてかえって誰かを誤って悪者扱いしてしまい、それをきっかけにチームが空中分解してしまうためだ。
どんな状況であれ、リーダーが竹を割ったような性格で理路整然と喋り、士気を低下させてしまうのは、リーダー失格なのである。
これを知らないままマネジメントするということは、目隠しで渋谷の交差点を歩くのと同じであり、とても危険だ。
現実解。
この逆で、グレーゾーンをグレーゾーンのまま扱い、本音をつかむ形で動くと、ただひたすら信頼される。
本音に寄り添うとは、情に報いることであり、情報が集まるには知恵と優しさがあれば事足りる。
理屈で解決するだけでなく、理屈を確保した上で、快く決める「快決」のほうが、人が着いてくる。
追記。
単にサラリーマンとして優秀なだけだと、この理解は厳しいかも。
優秀なだけじゃ客観的な物差ししかないために、主観で優しくなって情に報いる芸当ができないもの。
boxcox.net、遠藤武。