実力のある人はたいがい、
本当は合わない人や、
本当は合わない環境に無理に合わせてしまい、
ひどく嫌な思いをしたことがある。
そもそも実力があり、根が真面目だからこそ、
ひどく嫌な思いをしながら、周りに無理やり溶け込むのだ。
実力に裏打ちされた感受性と、根が真面目という素直さは、相矛盾している。
感受性があるからこそ、普通であれば気づかないことに気づき、
人や環境に合う合わないという「好き嫌い」がハッキリする。
特に、経営者が座組みやアライアンスを組むときに、理屈だけに頼らず好き嫌いで決めることが重要だ。
この逆で、実力がないのに周りに溶け込む人は、
いちいち嫌な思いなど残らず、
いちいちそこまで悩みもせず、
「世の中とはそういうものだ」
という当たり障りのない退屈な答えで終わる。
実力があればあるほど、当たり障りのなさだけで終わるような、スケールの小さい鈍重な人とはマッチしない。
現実解。
感受性が高いなら、無理なものと無理に関わる必要など、そもそもない。
「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」
という言葉の通りであり、
わかりあえない人とはわかりあえないままで大丈夫。
それも真面目さや優しさのあり方だ。
そのぶん、わかりあえる人とはお互い徹底して依怙贔屓しあえばよいのだから。
boxcox.net、遠藤武。