「何をやるにしても、気力が出ません……。」
そのようにチカラなさばかり前面に出た、アパシー状態の悩みを質問をされることがあるが、
そのチカラなさを無くすために、まずは勝ちに行けばよい。
小さい勝ちで構わない。全ての物事は、なんやかんやで勝てれば面白くなる。
どんなに小さなことでも、うまくいけば動機づけのきっかけが得られる。
自分で「おもしろい」と動機づけできることもあれば、
誰かから「やるじゃん」と言ってもらえる動機づけもある。
「そんなの小さすぎるからやめとけ!」と退屈なことを言い出す人は無視でよい。
そのように繰り返して、ピン!と来る物事だけを取捨選択する視点を大事にすればよいのだ。
つまるところ気力とは、モチベーションに頼らずに、ついうっかりやってしまう流れのことだ。
ついつい本を読みすぎたとか、ついつい映画を見過ぎたというとき、いっさい「こうしよう!」とは思っていないはずだ。
その感覚を横展開させることに、思考や妄想を用いるのである。
一定の実績がある人は「自分が面白いことじゃないと、そもそも続かない」と、包み隠すことなく直言する。
経営者も学者も作家も、突出した実績を持つ人が異口同音にそう答えるのは、
それだけプラスの動機づけを繰り返しているからこそなのである。
あなたが今、やるべき仕事がつまらないと思うなら、
自分の心を堂々とかばいつつも、転職活動や情報収集を重ね、
今やるべきこととなんらかの形でリンクさせていけばよい。
コツは、自分と似たような立場を経ていて、自分より活躍している人を探しあてることである。
そうやってベンチマークを行うのだ。
もっと言えば、ベンチマークという言葉すら不要で、憧れの人の思考や口癖をひたすらご機嫌に真似するだけでもよい。
仮に今の自分が、真似る元ネタに遠く及ばずともよい。
そもそもいくら真似しても、そこに自分のオリジナル要素がつい入り込むのが、自然な流れだ。
完全な丸コピーだと退屈だからこそ、「自分だったらこうする」という要素を、1%でも0.1%でも入れてしまえばよい。
真似して成り切って、童心にかえってごっこ遊びをしているうちに、
童心に包み込まれて無気力がどこかに消えていけば、勝ちである。
現実解。
最初は不格好でも不器用でも、うまくいっている人は大概このような流れを経ている。
アパシー状態どころか、どん底を経たことが「変わるためのいい機会だった」と納得するまでがテンプレ。
boxcox.net、遠藤武。