「ベット」「ドッグ」「ドラッガー」など、
一字違いで大違いの物事が多くある。
これらは以前からある間違いとも言えるし、
メールやSNSが広く使われるようになったことによるものとも言える。
ひとつ確かな事実を挙げると、一定以上頭の回る人や組織であれば、一字違いで大違いを放置することはない。
正しい言葉遣いは、気遣いだとわかっているためだ。
よくある事例。
一つ目は、寝床を意味する英単語の「ベッド(bed)」。
これが「ベット(bet=賭ける)」とつい誤って書かれてしまうことが目立つ。
「ドイツ語でBett(ベット)=英単語のbed」なので、カナ表記は間違いとは言い切れないと反論できるが、ドイツ語として意図的に使うケースは皆無だろう。
二つ目は、検診の「人間ドック(dock)」。
船が船渠(dock)に入って徹底的に点検・修理することから名付けられた。
「人間ドッグ(dog=犬)」と書いてしまうケースはまず無いと思うが、念のため気をつけておこう。
三つ目は、マネジメントの父である「ピーター・ドラッカー(Peter Drucker)」。
残念ながら頻繁に見かけるが、「ドラッガー」と誤記しているケースが多い。
言語の違いによる表記揺れというわけではないため、過去に和書で「ドラッガー」と書かれてしまった可能性がある。
引用文献としてお付き合いするなら、著者の名前は正確に書こう。
一言断りつつ、リスクを明示しよう。
誤表記で揚げ足取りをしたいのでは決してない。単なる間違いは誰にでもあるし、もちろん私にもある。
一番のリスクは、自覚症状のない誤記を継続してしまうことで、「この人はダメだな」という負のブランディングが起こることだ。
少なくとも、執筆経験のある人や、まともな研究開発経験がある人や、一定レベル以上の人からは、確実に無視されてしまう。
笑い事ではなく「あんなのと関わっていたらダサい」と見なされ、人離れを起こし、気づいたら落ちぶれかねない。
そもそもまともな大学で学んだり、まともな組織で働けば、このような間違いは必ず指摘される。
誰もが間違いうるからこそ、それもまた気遣いのあり方であり、知性に反映される。
現実解。
ちょっとした間違いが混ざること自体にビビる必要は全くないが、
「一字違いで大違い」の継続を放置しない実力を最低限つけておこう。
地道で小さな積み重ねへの気遣いが、そのまま信頼につながるから。
追記。
セキュリティ上やデータ分析上、ケアレスミスと言えない一字違いの放置は、一発で詐欺師扱いされる。
フィッシング詐欺や迷惑メールの文面にはあり得ないような誤字が混ざる事実が多々あり、一発退場を喰らう。
boxcox.net、遠藤武。