「私サバサバしてるんです」
と、何でもあけすけに言う人が一定数いる。
実はこういう竹を割ったようなタイプの人は、
思いのほか伸びない。
すごく素直に見えて、実はすごく頑固だから、
周囲の助けが得られないためだ。
何でも迷いなくあけすけに言うとは、
良いことのように思えるが、
逆に言えば相手の立場を慮ることができない。
これは価値を作る上でものすごく不利だ。
信頼されることも、契約してもらうことも、紹介をいただくことも、
全ては相手の立場を慮ることにある。
市場は売り買いする相手がいて成り立つ。
慮ることができず、
ついうっかり自分の立場ばかりを優先してしまい、
話を聞いていると言いながら、
実は全く聞いていないように、
少しずつ歩み寄る姿勢が薄く、
「この人、実はダメだな」
と、素直ではなく粗暴だと見透かされ、
話し相手やビジネスパートナーが興醒めしてしまうのだ。
価値を作るとは、
自分のエゴや成長意欲を全開にすることで、
お互いの成長に一点の曇りなく寄与することである。
素直であるとは、
本音とかわいげの2つでお互いにピン!と来て、
お互いの成長に一点の曇りなく寄与することである。
対話を通じて、そのように解像度を高くしていくのだ。
これは大胆さと繊細さの両方が必要だ。
成長し続ける経営者は、
明確で大胆な本音がありながらも、
その出し方や発想はとても繊細でかわいげがあり、
確実に意中に相手をうまく巻き込んでしまう。
経営者に限った話ではなく、リーダーシップを発揮する人全般に言えることでもあるが。
「サバサバ系」とか「竹を割ったような性格」とは全く異なる視点であり、
ついうっかり人が巻き込まれてしまうから、
ついうっかり本人も周囲も限界を突破して成長してしまうのだ。
現実解。
この視点にギクリとするなら、
人はギャップに惹かれると覚えておこう。
今までならサバサバとスルーした、
ちょっとしたことに着目するのだ。
ちょっとしたことを楽しくするとか、
ちょっとしたことを盛り立てるとか、
すごくすごく小さなことを、
相手目線で見てあげるとよい。
ケアギバー(care giver)になることで、
「サバサバ系」「竹を割ったような性格」が、
かえってプラスに光り輝き、
ついついチャーミングさが出て来る。
boxcox.net、遠藤武。