「業界」とか「どこそこに勤務していた」という、
サラリーマン時代の過去ばかりを強調する人は、
次から次へと、目もあてられないほど老害化している。
これは発想が「召使い」のままだからだと知っておこう。
プログラミングを書くことで、世界を変えることができると知れ渡った。
データ分析のように数学やテクノロジーの応用で、世界を変えることができると知られてきた。
これらは、若干の誤差はあれど、世界を変える側ゆえに「召使いになりづらい分野」「召使いには無理な分野」だと言える。
その一方、まだまだ「業界人」が幅をきかせる分野は、
激務を強いられるわりに独立もできず、
研究やテクノロジーも縁遠いサラリーマンがウジャウジャ群れており、
情報のアップデートがない層を、グレーゾーンで誤魔化す形で暴利を貪っている。
これらの業界は、遅かれ早かれテクノロジーで簡素化されており、
段々と「本当は要らないんじゃないの?」とバレてしまっているのだが。
特定業界の悪事を暴きたいとか、「かくあるべし」を述べるといった意図は全くないのだが、
どの業界問わず、召使いのアイデンティティにインフレを起こさせて、
グレーゾーンを突く猫騙しは、あちこちで行われているのは事実である。
私が直接見聞きした範囲で言えば、
金融業界は激務のわりに言うほど自由や権限や知的成長がなく、
外資金融であろうと人員の8割以上は「営業マン」だ。
「金融業界関係者は、他の業界の10倍稼いでやっと一人前」という本音を、
過去に関わって今は一切関わりのない成功者や実力者が口々に言うが、
これは商材の単価や粗利が高いゆえの視点であり、格式が低い層を排除する発想だと言える。
知的だとされる分野も広く見れば「営業マン寄り」になってしまう(例外は個人名を出せるアナリストやエコノミストくらいだが、それでも他の経験が積めないために限界がある)。
また高給ゆえに、召使いが召使いだと自覚しないまま、アイデンティティがインフレしやすいと言ってさしつかえない。
意図して情報を集めて批判をしたいわけでは決してないのだが、ふと醜聞が聞こえてくるたび、
「あーあ、やっぱりね。気づいていたけれど、激務サラリーマン経験ばっかりだと根本から価値観が変わらないままで、頭が悪くなるんだな…」
と納得してしまうのが実情である。
もう広くバレてしまっているので言い切るが、
激務サラリーマン経験ばかりを強調する人は、
その業界の常識に屈服させられてアップデートのない召使いだ。
これは独立しようといくら稼ごうと、
実際のところ変わりようがない。
現実解。
老害化したくないならまず、「業界の中で群れない」ことを大前提にしよう。
召使いは群れさせられる側だとまず覚えておこう。
資格のいらないサラリーマンの場合、同じ業界に不用意に10年以上いても、それは召使いのキャリアだ。
いくら海外トップMBAを経て高給を得ていようと、その業界が人生のすべてになってしまい、
本来知るべき仕組みや、本来ならもっと自由に過ごせたはずの世界線を知らずに、価値観が凝り固まってしてしまうのである。
その状態が10年以上続いている時点で、頭を使っているとは言い難く、
何より老害化の一番の原因であると断言していい。
boxcox.net、遠藤武。