「そもそも、お客様のお困りごとを助けるだけの実力がない」
「実力があるのに断片しか出ていない」
という点が、ゼロイチや独立(あるいは脱下請け)でよくある壁だ。
身も蓋もない言い方をすると、上記のような実力不足や実力不発揮の場合、
苦労や努力に逃げてしまっている可能性が高く、
そのために「お客様よりも、自分が困っている側」のままである。
笑い事ではなく、このような状態で、
自分から壁を作っている事業主が大多数であり、
現金が先細りになり、やがて売上不足で廃業していくまでがテンプレだ。
この状態は再生フェーズと同じであり、確実に「欲しい!」と言ってもらう強い側に、いち早く立つ必要がある。
大急ぎでその真逆を取り、TTP(徹底的にパクる)やピボット(事業の転身)を繰り返し、
「この内容とアイディアは素晴らしい!」「実は困っていたんですよ!」
と言ってくれる身近な味方を、1人でも多くつけることである。
これだけで壁を突破できる。
「そうは言っても、タマゴかニワトリかであり、顧客がいません……」
そんな弱々しい声が聞こえて来そうだが、それは理屈として非の打ち所がないほど合理的であり、そして正論である。
この正論が曲者で、理路整然しているが大間違いという、最低最悪の逃げ方だ。
正論を言って口先に逃げたいのか、ビジネスをやりたいのか、個人の自由で決めればいいのだが、
ゼロイチや独立とはそもそも自分が強者に立つことであるため、
合理的な発想だけでは不可能であり、かつ既存の正しさの真逆を取ることでしか、
価値に壁ができてしまうと知っておくしかない。
価値や価値観は、単に理屈っぽいだけでは、ただ退屈になり、伝わらない。
好きな本や音楽やマンガについて、合理的な発想や理屈づけや正論だけで、すべて決められるだろうか。
すごく退屈にしかならないのは目に見えている。
嫌いなものや不快なものについて、合理的な発想や理屈づけや正論だけで、すべて決められるだろうか。
すごく不快にしかならないのは目に見えている。
要は価値観をベースにした熱量や熱狂が必要なのであり、
それが商品やサービスとして形になり、
自分とお客様や協力先の壁を取っ払うからこそ「欲しい!」となる。
単に営業代行を噛ませたりしても売れないのは、
壁が残っている状態で不利に動くためだ。
そもそも理路整然とした大間違いは、退屈極まりない。
現実解。
逆を取ろう。
「これは面白い!」と思える物事をTTPし、
「自分ならこうやる!」という形で楽勝を繰り返すことくらいしか、
本当にやるべきことはない。
創意工夫は必要だが、苦労や努力は全て無駄な努力であり、
「これは大事だからぜひ紹介したい!」
と相手を唸らせる着想が大事なのである。
追記。
how toよりも、MVV(Mission,Vision,Value)が大事なのは、
MVVはそれだけで「売り」を体現するし、「売り物」にもなるためだ。
特にValueが重要なのは、価値・価値観について、
自分とお客様で共有することが「欲しい!」の入り口となるためである。
boxcox.net、遠藤武。