競合対策は、極めてシンプルだ。
「これは真似できない!したくない!」
「これは自分には無理!」
に追い込み、戦意喪失させれば事足りる。
もう時効だからストレートに述べてしまうが、
私が業界特化型投資案件の価値評価サービスを作ったとき、
相手企業の実情と実力は、協力先を通じて筒抜けだった。
筒抜けの状態で、業界イベントで競合先の担当者と話をしたが、
競合先には分析能力も企画能力もないことが見えていた。
言うまでもないが、これは私の意見にとどまらず、
業界関係者からもそのように低評価されていた。
だからこそ、専門性を徹底的に仕組み化すれば、
相手から真似されずに戦意喪失させ、
自分は確実に高評価を得ると踏んでいたのだ。
結果は大当たりで、投資案件を多数抱える通信系金融機関と、
最大手ノンバンクやメガバンクが顧客となった。
今ではコアとなる事業まで成長している様子だ。
当時のことを昔語りする意図は、毛頭ない。
そうではなく、自分の事業が、
勝てない立ち位置で無理をしているケースが、
あまりにも多いことだけを強調したいのだ。
誰かに戦意喪失に追い込まれる立場になるくらいなら、
ニッチを取るほうが遥かに賢明である。
競合対策を通じて、
立ち位置を明確にしておくほうが、
相対評価ではなく絶対評価に持ち込める。
現実解。
そもそも競合対策という発想自体が、
根本的にせせこましくないだろうか。
どうせなら、真似から始まってもいいから、
他の誰にも真似できない要素を用意するくらいでいい。
絶対評価と相対評価が等しくなる形で、
事実上の最強として生きるほうが、
結果的に最強の競合対策になるのだから。
boxcox.net、遠藤武。