グレーゾーンの分析。

daily11 スモール分析。

コンプライアンス(法令・社会規範の遵守)が徹底される世の中になった。

ただし法律や契約や、あるいはテクノロジーは、逆算してグレーゾーンを誘導することにも用いられる。

思いのほか、誰も疑いを持たないためだ。

 

グレーゾーンとは、「なんとなく」で煙にまく発想である。

保険の契約書がやたら細かく分厚いのは、

もともとグレーゾーンであるものを、意図的な取り決めで包み込んでいるだけだ。

保険に限らず、やたら細かい取り決めや、やたら複雑で読む気が失せる契約書や規則は、

機能や明確な理屈はさておき、逆説的にグレーゾーンへの集団的囲い込みだ。

だからこそ契約書や法律(特に民法や税法)に通じておくことが重要なのだが、

それは単なる基礎知識やリテラシーという模範解答の話である。

 

根本的な話をすると、

「グレーゾーンを目利きができるリテラシーがある」

「グレーゾーンに群れさせられ始めたら、即答で断ってしまう」

「グレーゾーンがあっても、理屈抜きに関わりたいと思える相手と関わる」

という実力のほうが、有益ということである。

 

実力は、学歴や職歴という常識的な序列も関わるが、

それらを得ても、入り口にしか立っていない。

その先で「実はこうでした」を明らかにしていくという、

グレーゾーンからの価値創りが必須だからだ。

水平思考やセレンディピティは、

どれもグレーゾーンにとどまっている物事を、

「あるある!」「これだ!」

とピン!と来ることだ。

自分だけの価値を世の中に広めるには、

グレーゾーンと向き合うことが必須である。

湯船に浸かった際にお湯が溢れ出る現象から、

純金(のはず)の王冠に混ぜ物があることを見ぬいたアルキメデスも、

才能や天才や教育よりも、競合のゴミ箱から知りたい情報を見抜いた上で、

継続することを何より大切にしたレイ・クロックも、

世の中がなんとなく動いているグレーゾーンについて、

光の当て方を変えることで、価値を創ったのである。

 

現実解。

グレーゾーンは、立派な分析対象だと言っていい。

データがあってもなくても、「おかしいな?」と思ったら、分析してしまうのだ。

まずは超アナログにざっくり切り分けたり、共通点を探すだけでいい。

2値に分類したり、異なる2つの共通点を見いだせば、

グレーゾーンから価値を呼び出せる。

これは過去から現在まで数限りなくなされてきている。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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