「独立してうまくいく人は、どんな人なんですか?」
いったん小規模になってもいいという腹決めのある人だけが、
逆説的にも、独立して圧倒的に成長する機会を得られると言っておこう。
「そんなの当たり前じゃないか!」
という真面目なツッコミが聞こえて来そうだが、
実のところ、思いのほか当たり前ではない。
ここで意味する「小規模になってもいい」とは、
単に規模を捨てる・諦める・零細に甘んじることではない。
「前向きに妥協して、小規模の素早さや柔軟性を享受し、群れずに楽勝する」
という意味だ。
ニッチなところから楽勝することや、
大きな企業を不用意に相手して下請けにならないことや、
中途半端な実力を大きく見せかけてアイデンティティにインフレを起こさないことや、
中途半端な実力のまま変に群れてしまわないことがカギである。
群れないでいると、当事者意識だけで動く必要があり、自ずと実力が伸びる。
この逆に、先に規模や外面を意識してしまったり、
あるいはいったん規模が小さくなることにどこかコンプレックスがあると、
肝心の実力がブレてしまい、変に群れてしまったり、
メディアでアイデンティティインフレを起こしたりして、
立ち居振る舞いが悪化する。
サラリーマン経験のない場合や、
なんらかの世襲だったりする場合や、
メディアまたはお金の要素を除いたら実力が薄い場合は、
この傾向が強まる。
これはなぜかというと、
素直に原理原則(プリンシプル)と向き合っていないためだ。
小規模になることにビビってしまい、価値観を歪めるのである。
学歴や経歴のない下層は、そもそも不貞腐れているために群れて、価値観を歪める。
一定以上の学歴や経歴がある上層であっても、他人との競争や既成概念に群れて駆り立てられ、価値観を歪める。
常識にまみれすぎると、そうなるしかない。
実のところ、この二者はどちらもそう変わらないくらい、群れて立ち居振る舞いが悪化している。
そうなってしまうと、素直に自分との競争ができず、
孤独を継続的に愛することができず、ゆえに原理原則の軸を持てないのである。
とっくのとうに指摘されていることではあるが、
炎上芸でアイデンティティにインフレが起こって身を滅ぼす。
毛並みが良く研究業績も教育的配慮もあるエンジェル投資家が、そう述べていた。
現実は、群れて知的劣化したままの悪貨が目立つのだが。
現実解。
実はこれは大チャンスでもある。
知的劣化しているケースというのは、
まっとうな知性で上位互換できるまでが、
原理原則ということだ。
一旦小規模になる勇気が、実力を伸ばす。
実力があれば突破口が開ける。
実力がないのに目立っているだけのケースを、
あっという間にあっさり超えていけるから。
そうなっているとき、それは他人との競争ではなく、
純度100%の「自分との競争」なんだよね。
boxcox.net、遠藤武。