「ウチの業界はこうだから…」
「ウチの会社はこうだから…」
このような尻切れのセリフを言い出す人は、
製薬だろうとコンサルだろうと、
金融だろうと飲食だろうと、
どの業界にも常にいる。
このセリフの続きは100%決まっていて、
尻切れの省略に逃げず全部言い切ると、
「ウチの業界・会社はこうだから、何も変わらないよ」だ。
この態度はストレートに言うと、
現状維持に逃げているだけである。
この状態で何かに取り組んでも、
ほとんど効果が出ないという事実を指摘する以外にない。
新規事業立ち上げだろうと、
全社活性化だろうと、
このような人が全体の51%以上を占めていたり、
このような決定権者が幹部の51%以上を占めていると、
現状維持の力学が作用してしまう。
とはいえ現状維持のチカラには、
時と場合によっては逆手に取って活用するチャンスがある。
特に、社長からの依頼で仕組み化を指南するとき、
どうやったら反発やハレーションが起こるかを想定し、
全体を包み込む形で行動を想定するのだ。
現状維持する多数派がどのようについうっかり動くか、
すべて相手の常識目線に立って行動を逆算するのである。
例えば新しい仕組みや基幹システムを導入する際、
反発されることを最初から織り込んでしまい、
行動できる人とできない人に思いっきり二分することを想定し、
既存の人員に昇格と降格で入れ替えが起こることも含め、
後釜を誰にするかも全て想定しておくのである。
究極的には、そのように愚直に分析を重ねて「いけそう感」のある行動をしないと、
組織がそっくりそのまま吹っ飛んでしまいかねない。
だからこそ「多数派は現状維持体質だ」と知っておくことで、
状況を逆手に取ることができ、確実に成長と成功に導くことができるのだ。
「ウチの業界はこうだから…」
と言い出す人ほど、そもそも驚くほど常識的にしか動かないので、
逆手に取りやすい人だと言える。
実はこれは、取引先を選び抜くことでも同じである。
フリーランスの人のプラットフォーム選びにも当てはめられる。
関わるべき人とだけ徹底して関わって成長するためには、
現状維持だけの常識人とは何がなんでも別れなければならない。
現状維持する人は、どんなに優秀にみせかけても尻切れ状態に終始し、
二言目には「ウチの業界はこうだから…」に逃げるのだ。
価値とは既存の常識を知り、それを疑うことでしか出てこない。
特定の業界や組織の慣習に根拠を求める人は、
もっともらしいが、成長は止まっている。
そんな人と関わっている時間は1秒でも惜しい。
であれば、よくわからない状態で関わる人は、
「多数派は現状維持体質だ」
という事実を最初から織り込んでおくのが一番手っ取り早い。
現実解。
手っ取り早いからこそ、
いちいち多数派にウジウジ悩む必要もないし、
多数派は現状維持体質ゆえに、
ろくに考えずに動いているから、
こちらがウジウジ悩む必要も実はない。
追記。
手っ取り早さを味方につけると、
全てにおいてハードルが下がっていく。
boxcox.net、遠藤武。