組織の話。
優秀な人が入ってくる組織で、
そこに優秀な人が居付かない場合や、
あるいは優秀な人から奇跡的に本音を聞けたとして、
「こんなダサくて融通のきかない組織など不安しかないから絶対にいやだ」
という見解が出てきた場合、
その組織はもう崩壊寸前である。
このような組織は、
もうレベルが上がらないビジネスモデルか、
もう維持できない泥舟組織かの二択である。
というのも、
市場と人がマッチしないとか、
組織がレベルの高い人を扱えないというのは、
目先の合理性による金策を繰り返しているだけでしかなく、
矛盾を乗り越える熱量も本音もないのだ。
合理性は重要だが、
新しいことを面白く仕掛けるには、
意図的なカオスが重要なのである。
新しいことを面白く仕掛けることがないなら、
その組織は人材と顧客に嫌われて、
落ちぶれるだけである。
「新結合」とシュンペーターが言ったイノベーションは、
既存の延長線上をなぞるだけでは何もできず、
むしろ既存と対立する矛盾に対し、
熱量と知的好奇心をもってして勝ちに行く勝負である。
いちど事業か組織をゼロ立ち上げすればわかるが、
物事は矛盾だらけであり、
矛盾を乗り越えるためのボケ方こそが重要なのだ。
組織内部で調整することなど時間の無駄であり、
組織のレベルが低いことなど更に時間の無駄である。
優秀な人はさっさとその点に気づいてしまうので、
人が居付かないことになるのである。
現実解。
この現象は、思いのほか、外資や大手ベンチャーで結構起こっている。
要は熱量が足りない組織オペレーターが多いのだ。
むしろ人が居着いている年売上高が兆円単位の企業は、
あまり熱量のボタンの掛け違えが起こらず、あっさり仕事が進んでいく。
追記。
この事実を知っておくと、物事を前に進めるヒントが得られる。
なんやかんやで、人は面白さとポジションと安心感で育つ。
boxcox.net、遠藤武。