数多くの経営トップと関わってきたが、これはとてもシンプルだ。
「本気で勝ちに行く決断」をする社長だけが上昇し、
そうでない社長は例外なく停滞する。
「本気で勝ちに行く決断」とは、
まず夢と本音を大切にし、
その上で耳の痛い事実を有益な知識としてありのまま直視・活用し、
かつ楽勝できる土俵とチームを独自に絶えず作っていくことだ。
要は、ヒト・モノ・お金・情報を、本音と敬意ベースで徹底活用することである。
状況によって、瞬間的に断片化するかもしれないが、
それでも最終的に「本気で勝ちに行く決断」は、
巡り巡って必ず効いてくる。
本音と敬意がそこにある形で、
徹底活用のための決断を下すからこそ、
ついつい時間帯効果がとても良くなる。
結果として適材適所で活躍してもらうことで、
自分も周りの人も、普通の人の2倍や10倍や100倍の速度や効率で動けてしまうのだ。
単に1人で長時間のハードワークをしているだけの人には、これは果たせない。
決断から逃げずに人を巻き込んでいれば、
涼しい顔をしながらも、自分のなすべきことに心血を注いで、
大活躍が果たせるのである。
逆に言うと、停滞してしまう社長は、
ヒトが離れ、モノや知識は使いこなせず、情報弱者であり、
結果としてお金がないままである。
かなり耳の痛い内容かもしれないが、
ストレートに言ってしまおう。
夢と本音だけは威勢がよくとも、
せっかくチームを組んでもナメられ、
せっかくエンジェル的な超強者の協力者がいても、
過去の話に終始して、耳の痛い現状の事実を見事にガン無視し、
「その事業って、本来ならもうやらないほうがいいんじゃないの?」
という状態に自分から持ち込んで負けに行く、
負の学習をしている残念社長が多いのが、事実だ。
率直に申し上げてしまうと、
素直さを欠いた停滞社長とは関わってはいけない。
とても惜しいところが多々あり、
魅力もあり、なんとか助けてあげたいと思うのが人間のサガだが、
素直さがない場合、惜しいところは治らない。
まがりなりにも社長をやってきているから、
どこか1つは「すごい!」という要素はあるのだが、
トータルで見ると余計な一言が多いために、
まともな人から去っていく。
これは社長を顧問にもつ税理士からは見透かされており、
「1日でも社長をやったらやめられない」
「それゆえに失敗続きの過去を捨てられず成長できない」
というのが事実である。
大した実績も学びもない割に、
アイデンティティがインフレを起こしたまま、
誤って学んでしまうのだ。
その人の社長としての経験・学習から得た達成感が、
上昇するにはにあきらかに間違った悪手にも関わらず、
個人的な学びとして「正しい」ものだと誤認してしまうのだ。
これはちょうど、AIが誤認識を起こしてパンダをテナガザルだと判別してしまう脆弱性と似ている。
「遠藤さん!ちょっと厳しすぎます…。」
そんな声が聞こえて来そうだが、
本当に治せる余地はないのだろうか。
この状況から停滞社長が脱して、上昇社長に切り替わる方法はないのだろうか。
突破口は、たった1つだけある。
本音ベースで「普通の人の2倍や10倍や100倍」を果たせることに特化するのだ。
効率でも速度でも、優しさでも、人脈でも、ゴマスリでも、
2倍や10倍や100倍を叩き出せる価値であれば、なんでも構わない。
コスト削減を志す事業なのに、管理会計の経験がないなら、それはかえってマイナスである。
マンガが関わる事業なのに、マンガそのものの知識が薄いなら、それはかえってマイナスである。
これらを自分がカバーできないなら、カバーできる実力者を徹底的に大事にしていくしかない。
それでも自分に自信がなく、つい嫌気がさして舌禍を招き、
そのせいで実力者が離れていってしまうなら、
その社長は好きなことや好きな状況を作り出していないだけだ。
思い切って1%だけ既存の本業要素を残し、それ以外の99%は好きな形に転業して、
残った人や新たな人から「すごい!」と信頼されてやっていくと覚悟を決めることである。
少なくとも「すごい!」と言われていれば、日常から嫌気は消えていく。
そのために、敢えて偏差値の低い業界に楽勝しにいき、ハードワークは避け、
自分の相対的なポジションが上がるように自作自演するのだ。
それくらいまで素直にやっていければ、どんな停滞社長でも、
強みが輝く確率を愚直に高めることができる。
現実解。
実のところ、停滞する社長は、ポジショニングが低すぎるんだよね。
背中を蹴飛ばされてでも学び取る側に回るか、
学ぶことはほどほどでも祭り上げてもらえる側に回るか、
そのどちらかだけだと思っておこう。
思いのほか、突破口は身近にある。
boxcox.net、遠藤武。