人脈が大事だと思う人は少なくないが、人脈とは結果に過ぎない。
その人が好かれていて、お困りごとを助ける実力がマッチすれば、あっさりと必要な人脈は増える。
不用意に群れて薄まり、かつ最低限の実力もない人は、水をザルですくうかのように人脈が消えていく。
前者の人は、今この瞬間から目の前に信頼が広がっている。
後者の人は、常に新たな人脈を広げようとして、常にしんどそうにしている。
「人脈で困ることがないようにしたい!」という人に向けて囁こう。
「実力があって、かつ1対1で『良いね!』と好かれるからこそ、『ピン!』と来てもらえて人脈が表に出る」のが本質である。
まずは、目の前の人のお困りを、自分の実力で助けるのだ。
この場合の実力とは、必ず果たせる得意技でもいいし、
エレベーターのボタンを代わりに押して上げる程度のことでもいい。
ちゃんと1対1で助けてやれるなら、なんだっていい。
そのちょっとした積み重ねで、人間関係が濃くなるためだ。
人間関係が濃くなれば、「〇〇と言えば貴方!」と一発で思い出してもらえる。
昨今「人と薄くつながっていると、どこかで良いことがある」と言うが、実はこれは逆だ。
ちゃんと自分の実力を、1対1で額面通り覚えてもらうことが、スタート地点なのである。
単に薄いつながりがあり、群れて何かをした気になっているだけでは、記憶にも残らず、何も起こらない。
それどころか、薄いつながりのまま不用意に過ごし「ああ、あのヘナチョコで薄っぺらい人や集団と関わりがあるのね…」と見捨てられてしまうことも実際にある。
そうなってしまい、実態はサラリーマンと変わらなくなる社長やフリーランサーは、実は後を絶たない。
また、無理やり記憶に残すような猫騙しも、嫌われて終わることなど多々ある。
キャッチコピーの大御所が「キャッチコピーとは『うんこ!』という単語を自己紹介に入れるようなものと思えばいい」と言っている。
これは完全に正論なのだが、一方ではリスクを抱えてしまう。
実力や特徴があるからこそ成せるワザであり、キャッチコピー負けしてしまってはどうしようもない。
実力がないばっかりに、そのつもりはなくとも奇を衒った文言やイメージが先行して上滑りしたり、
勇気がないばっかりに、既存の組織にやたらと時間を取られてしまったりすることなど、多々ある。
そうではなく、敬意をベースとした濃い人間関係があるからこそ、
1対1の信頼が自ずと増え、結果としてそれを「人脈」と呼ぶことができるのだ。
現実解。
人脈を望むなら、人脈という言葉すら邪魔っけなものとして、捨ててしまってもいい。
変に人脈!人脈!と群れてしまうより、1対1でお悩みにリーチするほうが、信頼されるためだ。
本音と敬意があるだけで、あっさり解決してしまうことは多い。
boxcox.net、遠藤武。