辞めることや断ることができないゆえに、
悩み込んでしまうという人は多い。
これは実は正しい。
決断とは、
やたら思い切りのいい蛮勇より、
とても臆病でうじうじする繊細さのほうが、
トータルでうまく行くためだ。
恋愛でも家族の悩みでも、
仕事や組織の悩みでも、
人が関わる以上この本質は同じだ。
だからこそ声を大にして言いたい。
ちゃんとコストベネフィットや理屈も、
GNN(義理・人情・浪花節)や本音も、
両方をすべて包み込んだ上で、
ぐるぐると悩んだ上で「辞める!」「断る!」とした決断は、
全てにおいて善悪を通り越した、正しい決断だと。
むしろ、一度戦略的に滞留していたのだから、
そこに動きを作ることそれ自体が、爽快だ。
しかも算盤も人情も両方取っているのだから、
蛮勇もねちっこさも、オモテウラもない。
現実解。
「決断はゼロ秒で下せ!」という論法が世に出回り、
私も実際にそうしている物事はとても多いが、
そうではない物事がどうしても残ることがある。
そういうときには、ちゃんと悩めばいい。
単に「辞めます!」「お断りします!」と言い出すだけなら誰でも言える。
その物言いが浅はかであっても、誰も教えてくれないケースなど多々ある。
だからこそ、ちゃんと堂々と悩んだ上で決断することそのものが尊いのである。
追記。
スパッと決断しているように見える人でも、
本当は繊細であり、実はうじうじしている人は思いのほか多い。
これを知っておくと、うじうじするくらい繊細なほうがむしろ得だと気づける。
boxcox.net、遠藤武。