独立の理由。

daily11 スモール分析。

「これは明らかに独立しても勝てる経験が得られた!有利だ!」という直感が半分、

「これ以上サラリーマンをやっても明らかに成長が遅いな」という直感が半分。

私は、通常は独立した理由についてそう答えている。

 

さらにここだけの話で言ってしまうと、

「もうこれ以上移籍しても、自分よりレベルが高い人は出てこないな」

「仮に移籍しても、自分の上司になる人は、自分よりレベルが低いわりになんとなく上に据えられている状態の人ばっかりで耐えられないな」

という直感があり、サラリーマンとしては完全に潮時だと悟ったのが本音だ。

とすると、一気に自分の価値を活用するには、独立する以外になかったのである。

 

そもそもだが、独立を第一義に考えたことなど、私は人生で一度たりともなかった。

もともと、執筆と分析ができていればそれで満足で、アナリストができた時点で「これでキャリアは困らない」という直感を得てしまったためだ。

また、いくら売れようとも、過去のコンプレックスから煽りに走ってヘナチョコ化する一人親方や、

それほどでもないレベルの割にマウント合戦にお熱を上げている一人親方が、

どうしても中途半端に思えて興味が持てなかったのもある。

そのように「独立!」「成功者!」「一流!」という単語で独立した人に限って、

どう贔屓目に見ても、あるいは稼ぎや出版レーベルや知的背景や学歴や職歴を確認しても、

全く成功しているようにも、全く一流にも見えなかったのだ。

せっかく一定以上に頭がよく、入学大学で一定のレベルを担保しているにも関わらず、

サラリーマン時代の思い出ばっかりで、大学時代は読書とバイトと部活に明け暮れたという話しかなく、

大学での過ごし方に教養も専門もなかったり、

(教養を語る上で「リベラルアーツ=理系+文系=人文科学+自然科学+社会科学」という語を避けていたり、あるいは専門の系譜がない時点で、そもそもモグリである)

受験や予備校の話題で知性が止まってしまっていたり、

(私がそうしたように、受験で数学と英語から逃げないでいる時点で、気づくべきところにちゃんと気づけているからこそ、それ以降ずっとサラリーマンなのが余計に残念だが)

あるいは就職活動も転職活動も、日本の発想でしか通用しない営業寄りの「文系就職」の職歴だけだったり、

(今ではテクノロジーをきちんと使いこなせない時点でリスクが高すぎる)

とてもじゃないが、そのような中途半端な一人親方のビジネスモデルは、レベルが低くて関わる気になれなかったのが本音だ。

私が育った場所が、文京区・台東区の狭間である谷根千という空間だったからこそ、

周りの大人に「基礎学力は教師を無視してでも得ておけ」「既存の物事に隷属するな」「グレードは上げておけ」と駆り立てられて、つい疑うようになっていたのかもしれない。

おそらくそのような一人親方の人らは「自分に勝てない土俵を避けてグレードを下げた」と、内心気づいているのだろうけども。

 

そんな中、ふと逆に、

「そんな一人親方がうまく行っているなら、自分はもっとうまく行くのでは?」

と、さらに疑いを立てて考えることができた。

「移籍しても、自分よりレベルが高い人はいない。これは一人親方との比較でも同じだな」

「どうせ自分の方がレベルが高いなら、引き算して自分だけにしかできないことをやろう」

「顧客よりも基準を遥かに高くしていけば、少なくとも競争に巻き込まれず、質は高いまま過ごせそうだ」

と直感したのである。

 

ストレートに言ってしまおう。

統計学やモデリングという専門分野から、

アナリストもプロダクト構築もテクノロジーも経験し、

かつSCMやマーケティングやFP&Aやマネジメントも経験し、

それらを掛け算して独自性を付与することができた。

だんだんと知られて来ているから明かしてしまうが、

例えば「事務→FP&A」だけを単一的に経験するなら、

それは「営業職→コンサル」と同じで知的背景は問われない。

 

今だから明かしてしまうと、

実は統計学などの素養を活用すれば、

FP&Aもマネジメントもコンサルティングも、

全て配下に置いて楽勝できると仮説を立てていた。

土木や行政学は、経営学よりも更に経営の一次情報をありのまま出していると直感していた。

その直感が先に来て、ビジネスや組織の土俵にノコノコと乗っかる気が一切なかったのだ。

大学の先輩でもあるアナリストの師匠は、

国立の研究機関を去ったあと、

世界最高のリサーチファームでアナリストをつとめ、

今もなお堂々と出世しているが、

「大局観さえ見えれば、予測が当たっちゃうんだよね」

「当たらない人は、表面しか見えてないんだよね」

と、こっそり語ってくれた。

表向きはさておきとして、中身としてはビジネスなど眼中になく、

研究していた分野との掛け算で、学問を軸に、淡々と予測を当てていたのだ。

そのスタンスを徹底的に真似て、私も勝てる分野について、学問を軸に仮説を立てた。

だからこそ、かなりゴツいほどの規模で淡々と楽勝する形で独立ができている。

 

現実解。

単に独立するのではなく、淡々と勝てる形でしよう

大局観から、孤峰をまとめて複数制覇していけたからこそ、

大局観をとらえて、そう時間がかからなかったからこそ、

ラストピースとして堂々と独立することができただけだ。

 

追記。

辛勝が見えるくらいなら、堂々と実力をつけることを優先し、

ちゃんと勝てる側になった上で独立したほうがいい。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。

↑詳しい自己紹介は上記リンクを参照。

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