何かを決めるときの基準は「なんとなく」で良いと何度も述べているが、
もっと語気を強めて「嫌だから」としてしまうのも手だ。
私がデータ分析をキャリアにしたのは、
実は「既存の仕事など務まりそうになく、何もかも嫌だから」だった。
アカデミックスキルがあっても、ありきたりな研究員や研究者オンリーでは成長が止まり、
組織人はアカデミックスキルもテクノロジーもそもそも不要だと、気づいていた。
ぼんやりと、祖父が残してくれた分野の知識を使えると、直感していた。
はっきりと、ずっと勉強しつづけていきたいと、意欲が湧いていた。
結果として、データ分析周りの数学や統計学や自然科学全般を勉強し放題、
断腸の思いでリサーチアナリストを離れたが、むしろそのほうが素養を好きなだけ活かし放題、
そこから圧勝と楽勝で成長し放題だったのは、
嫌なものを嫌だと素直に認めたからだった。
現実解。
本音の理由を出せると、強くなる。
素直さだけしか使えなくなる分、
自分でドン引きするほど本気で勉強することになるし、
嫌なものから離れるエネルギーを活用できる。
そんな人が、ついつい他人から一目置かれて勝ちやすくなるのは、必然だ。
boxcox.net、遠藤武。