「仕組み化」に最も重要な発想は、ドメイン知識(領域知識)の組み合わせだ。
以前にドメイン知識について書いたが、その組み合わせで現実解が導き出せるのだ。
「仕組み化」には、
必ずしも統計学や会計学や組織論という体系的な知識が必要なわけではないし、
同様に、必ずしも行動分析学やルール作りをいきなり適用すればいいというわけではない。
必要なものを、ドメイン知識不足を防ぎつつ、必要な形で組み合わせれば、事足りる。
むしろ一般に流布している「仕組み化」の商品やサービスは、
根本的にドメイン知識が不足していたり、
関わる人のレベルが低かったり、
曖昧模糊があると言わざるを得ない。
更にストレートに言ってしまうと、
「仕組み化を謳う本人が、商品やサービスを作ったり、組織や事業を成長させた背景がない」とか、
「小規模と大規模の両方の組織について、全社の仕組み作りに関わった背景がない」という、
とてもお粗末な状態のまま強引に進めているケースが目立つ。
(この点は「一流コンサルタントの下限」として過去に書いた。)
これは実は、挑戦者にとって大チャンスだ。
「成長の仕組み化」の目線で言うと、
お粗末な会社のケースにもかかわらず、
上場などある程度の規模まで成長しているということは、
世の中に需要が確実にあり、
かつそのお粗末な会社には補強できない弱点が、
どこかにあると洞察できる。
この弱点を突いて押し広げると、あっさり勝てるのだ。
現実解。
スキを突ける分野が、自分の得意技や好きなことであれば、
ドメイン知識の習得など難なくできてしまうし、
組み合わせることもできる。
そうすれば、勝ちに行くための仕組みをあっさり探り当てられる。
boxcox.net、遠藤武。