コンサルの多数派は下請け。その2

daily11 スモール分析。

そもそもの話をしよう。

コンサルが下請けである理由は、

「人月商売」をしているためだ。

 

人月(にんげつ)とは、

「1人が1ヶ月働いたフルタイム労働の稼働量」

のことであり、

「1人月(いちにんげつ)」を、

「稼働率100%」と表現する。

このとき、

稼働率100%×8時間×20営業日=160時間

という計算が成り立つ。

これは受注したプロジェクトに応じて、

稼働率50%×8時間×20営業日=80時間

であったり、

稼働率20%×8時間×20営業日=32時間

のように変動する。

大手企業を相手にする外資コンサルティングファームは、

通常は作業時間から逆算してこのような計算をしている。

 

少し知識のある人ならわかるが、

この計算は労務管理と同じだ。

要は人月計算をしている以上、

コンサルティング会社は、

論理的には派遣会社と同じなのである。

これは受託開発のSIerやIT企業とも同じだ。

もちろん人員のグレードはとても高いから、

そこらへんの派遣会社やSIerが同じことなど出来ないが。

 

ただし、この形態のまま独立するというのは、

そもそも独立やフリーランスではなく、

時間の切り売りである派遣労働と変わらないことになる。

ごく例外的に20〜30%の低いパーセンテージの契約で、

実質的に時間の切り売りにならない事業立ち上げや戦略のアドバイザリーを行うケースもあるが、

多数派は100%のパーセンテージであり、労働時間切り売りの人員配備に使われるだけだ。

 

もちろんだが、独立当初にそのような仕事をいったん受注し、

そこから時間切り売りではない独自分野に2〜3年で転業していくなら話は全く別だが、

大多数は時間切り売りでキャリアも人生も終えてしまうのである。

「クライアントファースト」

「トークストレート」

と朝から晩までコンサルは言われることが多いが、

これは組織で働かされる論理であって、

独立して世の中にインパクトを残す論理とは異なる。

この違いに気付けないのなら、

グレードが下がると時間切り売りどまりの派遣会社になるのは、

無理もないことだろう。

 

私はサラリーマン時代、

コンサルティング会社を起用し依頼する立場だったが、

独立して改めて関わってみれば、

実際に事業を手がける側からすると、

品質はまちまちだなあとよくわかった。

FP&Aや統計モデリングの使い手になることや、

プロダクトの企画・構築や、

ゼネラルマネジメントの立場は、

下請けどまりのコンサル会社では触れられないまでが事実と言われればそれまでだが。

 

現実解。

元請けとして独自商品があることがカギであり、

マーケティング(商品づくりやサクセスづくりや品質管理や販売を全て含む)やマネジメントという全体像に行き着く。

シンプルに言えば、

鉛筆の一本や大根の一本を「欲しい!」と手を挙げて買ってもらう、

仕組み作りの話に行き着く。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

↑↑↑
詳細は上記リンクを参照
↑↑↑

■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

boxcox.netを講読する
タイトルとURLをコピーしました