典型的なスタートアップ関係者は「出資者」と「時流」という2つの変数から逃げられない。

daily11 スモール分析。

スタートアップという、急成長を見せる起業があちこちで目立っている。

急成長を経験した立場で、この本質をシンプルに囁いてしまうと、

「時流」と「出資者」の2つに行き着く。

 

基本的には、スタートアップはIT技術や非IT新技術といった「時流」に即したテクノロジーが中心にあり、そうではない分野はスタートアップとは呼ばれない様子だ。

というのも、「出資者」であるVC(ベンチャーキャピタリスト)が勝ちやすい(=出資する理由がつけやすく投資回収しやすい)マーケティングが、「時流」を捕まえた時点で完了するためだ。

美辞麗句をいかに並べ立てても、出資者は勝てないことはしないし、時流にはどうあがいても絶対に勝てない。

 

逆から捉え直そう。

「5年以内に急成長しないと伸びない」は、あくまで「テック」スタートアップの方言や訛りにすぎない。

これは技術の時流が終わってしまうマーケティング都合の点と、出資者が投資回収できず途中で事業を終わらせるファイナンス都合の点の、2つのバイアスが存在している。

要は「この技術は儲からなくなったらそれまでだから、5年でケリをつけてね」という殿様商売なのである。

とすると、スタートアップにはそもそも入口の時点でバイアスがあり、成長余地を作ることに長けているのではなく、成長しそうな分野にベットしているだけと理解できる。

いかにキラキラした未来を描こうとも、出資者が苦手な領域は、完全に無視される点に注意しよう。

「5年以内に急成長しないベンチャーはそれ以降伸びない」という説は、テックスタートアップの時流と、出資者の都合でしかないのだ。

 

現実解。

出資者など無関係で、独自に淡々と成長している企業などたくさんある。

ビジネスモデルから言って資金調達不要で、内情も公開されないから、みんなが仕組みに気づいていないだけ。

boxcox.net、遠藤武。

 

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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