政治家も公務員も、必要なのは組織人気質。

daily12 業界知識。daily11 スモール分析。

すでに日本で官僚制が弱体化して久しいが、

強い政治家を求める傾向は変わらない。

みんなついついそう願う気持ちはわからなくもない。

 

そろそろ、これを逆に捉えてみよう。

サラリーマンのような組織人気質で、

粛々と仕事をしてくれるくらいのほうが、

政治家も公務員もいい仕事をしてくれるものだと。

 

究極的に言うと、戦争や戦乱が関わる場合を除き、

選挙や公権力ひとつでは、世の中は変わらない。

憲法の縛りで戦争ができない以上、

世の中を変えるには、執念深く自分を変え、

実力をつけ、そこから世の中を変えるほうが早い。

であれば、そんな個人の挑戦を税金で支えてくれる、

粛々と仕事をする政治家や公務員を税金で雇うほうが、

社会全体にとってプラスだと言えるのではなかろうか。

 

古代ギリシアからの哲人統治のようなリーダーシップを、

ついつい政治家や公務員に求めてしまいがちだが、

きょうび資本や組織やテクノロジーを扱うことのほうがはるかに重要であり、

税金で運営する分野は内こもり気質になって久しい。

であれば、調整役機能だけ税金で委任する仕組みを用意し、

過度なリーダーシップを無理に出さなくていいように簡素化するのだ。

粛々と、やるべきことを、組織人としてこなすのだ。

 

外資やスタートアップや独立の考え方と反するが、

それは政治や行政が調整機能ゆえのことである。

サラリーマン経営者やサラリーマン幹部が年功序列の結果として機能しているのは、

調整機能が必要ゆえだと逆から考えればわかりやすいだろう。

 

サラリーマンのダメさが強調される今の世の中だが、

逆から捉えると、小粒な社長では扱えない分野があるのだ。

ゆえに組織で、ちゃんとシンプルな成功パターンや機関を設計しておくのである。

そうすれば、困ったときに粛々と動いてくれるチカラをプールできる。

 

立候補者に、やたらと出たがりが多くなり、

一頃前に比べるとかなり小粒なエリートを適性度外視で「すごい!」ともてはやすようになったので、

適材適所で、余計なことはさせず、いい意味でサラリーマンのように粛々とわかりやすく扱えばいい。

 

現実解。

「この人はビジネス/科学で実績と実力がダントツにあり、言ってることは悪くないけど、政治家をやるには視野が狭いよね」というのは、他で大活躍する実力があっても、組織では無能どまりになる。

であれば、実力は独立できるほどでなくてもいいから、サラリーマン気質の空間で活躍できる人を据えるほうが手っ取り早い。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。

↑詳しい自己紹介は上記リンクを参照。

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