いろいろな人があちこちで各々の実績を誇っているが、
ビジネスで「お、やるな」と即答できる規模の最低ラインは、概ね数千億円レベルからだ。
これは資産や企業・事業の時価総額から売上高まで、いろいろな切り口に当てはまり、毛並みが良いラインだ。
売上高で言うと、売上高数兆円の最大手企業が「大きく育った新規事業」として求める最低ラインが、数千億円規模である。
私の場合、投資価値評価事業のゼロ立ち上げ初年度で取り扱った時価総額がおおよそ2千億円くらいであり、
またFP&Aの全体統括に関わった企業の売上高が、数千億円規模だった。
(非ゼロ立ち上げ・非FP&A関連で他に兆円単位のものも複数あるが。)
さすがにこのレベルになると、怪しい人やニセモノは激減し、毛並みの良い人ばかりになる点が特徴だ。
とはいえ、規模が大きいだけが全てと言うつもりは毛頭ない。
規模が大きいだけの召使い体質というのは、あまり面白くはない。
人間は成長してナンボであり、ゼロイチ立ち上げからの急成長や、年売上高数100億円規模のFP&Aや組織もコミットしてきたが、このレベルが面白いことに異論はない。
とはいえ、全てのフェーズを自力でカバーするという、時間がかかる割にニッチで成長痛ばかりの世界にとどまる必要はない。
読書や手記から知るというのは、立派な手段であり、どんどんショートカットしていいのだ。
今の時点で、あなたがどれくらいの規模を経験しているかは、この際無視しよう。
「次の規模でこんな世界が待っているのか」「この人は中規模の割になかなかやるな」
という思いをめぐらせることが大事で、妄想から始まり、目の前を分析して行動を変えていことが、ビジネスの規模を知る意味ということだ。
現実解。
ビジネスの規模は、自分が成長するための教材だ。
自分の器は、規模の大小両方を実感し、自分で押し広げられる。
追記。
ただしお金を直接扱う金融機関の場合、最低ラインとなる金額規模の目安は、上に示した値の100や千倍である。
要はお金を集めて動かすということは「規模の経済」であり、
「金融機関=お金と金利(0.1%単位や1%単位で決まる収益)を材料や機械装置とした工場やプラント」
「金融機関の従業員=お金をめぐらせる工場やプラントの戦略的オペレーター」
「よくわからない小規模の金融は、目先のお金だけであり、怪しく後ろ暗い世界」
だと捉えればわかりやすいはずだ。
最大手金融機関のコアポジションが、当たり前のように少人数で数兆円や数十兆円や百兆円を運用する事実は、とっくに知られているものね。
boxcox.net、遠藤武。