独立したあとも、独立する前も、意識していることがある。
「お金とは、お金に稼がせるものである」という事実だ。
私はファーストキャリアで、キャッシュフローモデリングと統計モデリングの技術開発とを組み合わせ、
船舶投資向けデューデリジェンス(価値評価)のサービスを立ち上げた。
このとき明確に気づいたのだが、それが不動産や船舶や航空機であろうと、あるいは事業や会社であろうと、
投資案件には必ず「利回り」があり、投資額の何%かの収益率でチャリンチャリンとお金が発生するという仕組みだ。
当初は教科書通りの知識でしかなく、データ程度の意識しかなかったが、
独立して様々な事業や会社に関わると「そもそも収益率を全く考えずにやっている事業がとても多い…」と実感した。
それどころか、最も「お金に働いてもらう」ことを是とするはずの外資投資銀行に勤める人が、
テクノロジーに触れられず、数字を追いかけさせられる過重労働で終わるケースが数多いという矛盾があるとも知ってしまった。
何かのブラックジョークかとお気の毒に思ったが、お金に稼がせるのはサラリーマン(サラリーマン経営者含む)では不可能だとわかった。
これは直感や一般論に反している。
現実解。
テクノロジーとFP&Aの掛け算や、アナログの仕組み化は、まさしくお金でお金に動いてもらう発想である。
より正確に言えば、資源で資源に動いてもらうと言い切るほうがわかりやすい。
チャンスだらけと実感したのは言うまでもなく、独立して突出している人が他力を使うのは、このためだと言っていい。
ボックスコックスネット、遠藤武。