「優等生は、他人の敷いたレールに従う優等生どまりであり意外と大活躍できない」
と感じる人は少なくないが、これはある意味正しい。
というのも、節目節目で勝つことばかり経験してしまうと、負け方を知らないためだ。
負け方を知らないというのは、
どんな分野にどんなトップがいて、その他大勢はどういう末路を辿っていく…という、
一種の生態系についての基礎知識不足である。
一度も負けたことがなく、
大学や大学院を過ぎて就職し、キャリアに脂がのってきて初めて負けると、
そのまま再起不能になって負けグセがついてしまう。
上には上がいるという、自然な状態を素直に知る経験がなかったためだ。
これを防ぐには、18歳までに何かに打ち込んでちゃんと負けや失敗を経験し、
上には上がいるという事実を腹落ちしておく必要がある。
素直に早々に負けや失敗をしておく効果は大きい。
「次は、こういうルートでやってみよう」と創意工夫できたり、
「あのすごい人も、過去に自分以上にボロ負け大失敗していたのか…」と納得したり、
「これは自分には向いていないから、別なルート探ろう」と素直に方向転換したり、
「そもそも基礎不足だったから、原点回帰しよう」と勉強に打ち込める。
素直さがあれば、負けグセはその場で回避できるから、
ちゃんと負けておくことで勝ちパターンを作っていくことが有益なのである。
現実解。
1回だけ負けて大泣きしたりガクブルしてしまう場合は、
「その負けで自分の人生が本当に終わりなの?」と問うてみよう。
思いの外、終わりということはないから。
そこから、業界の常識を無視してありものの強みを活用するほうが、実は勝ちやすい。
ボックスコックスネット、遠藤武。