壁を超えようとして超えられない場合、たいていは基礎力不足だ。
よくある話として、営業マンが「ギリギリのところで売上目標が達成できない…」を想定できる。
この場合、まずは単なる基礎力不足を疑うといい。
営業マンの基礎力とは何だろうか。
ストレートに言うと「社内で勝ちパターンを知っている人を徹底的に真似すること」である。
よくある話だが、営業マンとしての勝ちパターンを知らずになんとなく思い込みで動くと、100%勝てない。
このとき、まずは個人のチカラをつけることが始まりだ。
営業チームや営業部門は、そのサポートに徹するのである。
では、営業チームや営業部門の基礎力とは何だろうか。
ストレートに言うと「社内の勝ちパターンを徹底的に真似できる助け合いの環境づくりを、懇切丁寧に続けること」である。
これもよくある話だが、部門長や拠点長の勝ちパターン(あるいは組織全体の勝ちパターン)が部下に浸透していない場合、売上目標が果たせないことになる。
このとき、まずはチームや個人がお互いのチカラを出し助け合うことが始まりだ。
会社の幹部や経営トップは、環境づくりと助け合いを出来る人材を適切に評価して昇格させ、チームリーダーや現場のキーパーソンを増やしていくのである。
ここまで達成したなら、あとは目標値の設定だ。
ここだけの話を囁いておくと、社内の助け合いができる環境という「仕組み化」が先であり、目標値というデータは後付けで大丈夫だ。
目標が達成できないのも、社内が属人化してしまうのも、基礎工事がしっかりしていない中で行うビル工事であり、不利で不安定な土俵で相撲を取ってしまうことに他ならない。
そうではなく、お互い助け合いができる人を評価するのだから、それは社内にとって有利で安定的な土俵である。
社内で助けを求めて数字を伸ばした拠点長や部門長も、もちろんプラス評価の対象になる。
(言うまでもないが、チームプレーや助け合いのない属人的な行動を取る人は、低評価して淘汰させることになる。)
ここまで土俵を整えれば、どう不利に見積もってもギスギスした営業会社になることはない。
目標値を設定しても、敬意と助け合いをベースとした建設的な議論が出やすくなるため、無益な競争煽りの内部闘争も減ることになる。
現実解。
基礎を盤石にした時点で、大体のことは上手くいく。
直観に反するが、先に目標値を作って基礎のない状態で突っ走ると、基礎不足や属人的なクセが残ったまま進むことになるので、自滅してしまうのだ。
追記。
勉強でも、楽器の音出しでも、野球のキャッチボールでも、基礎が大事なのは同じこと。
ボックスコックスネット、遠藤武。