起業や独立には、必ず「格の横展開」がある。
同じことをやるにしても、格の高さで勝てるため、それを横展開する座組みを作っていくのだ。
これは独立前の社名や肩書きや学歴という序列ではなく、品質と信頼の話である。
医師であれば、一般的な動きがわかるため、いきなり信頼されやすい(もちろん分野によるが)。
私のように、統計モデリングで1件20〜200億円の船舶投資案件を価値評価する仕組みを作った場合、信頼されやすい(それがあったのでFP&Aに移れた)。
ここに得意技や専門分野の「格の横展開」が起こり、その上で出身した学校名が残る。
気をつけたいのは、単なる「格」だけや、単なる「横展開狙い」だけは、そもそもうまく行かない点である。
過去の所属団体や肩書きは重要だが、それは格というよりただのデータである。
ほぼ確実に「上には上がいる」と思っておくしかない。
データとはそういうものである。
いきなり起業家と名乗って横展開するのは、誰でもできる。
ほぼ確実に「この人は本業が微妙だね」とバレている。
起業家名乗りとはそういうものである。
関連性や大義や知見が乏しいのに、それらを強調するのは、他に武器がないだけのゴリ押しだ。
このような不器用なケースは、私は嫌いではない。
せっかく成長を狙ってそう言い切るなら、もっと勝ちにいけることをするといい。
せっかくこの瞬間に気づいたのだから、1+1>2を得られるようにしたい。
具体的な話をしよう。
例えば一定程度の腕があるクラシック音楽家で起業家を名乗りたいなら、
音楽に理解があり、かつ実力の高い起業家と組むのである。
仮に音楽家が「有名海外音大出身で、コンクール受賞歴やプロオケ共演歴や音源がそこそこあるが、トップほど多くはない」場合でも、
ちゃんとチームプレーで「座組み」を作った場合、1+1>2で格が爆増しやすくなる。
チームプレーで、単独では行き着けない領域までの学びが得られる。
一方、いきなり単独で起業家を名乗ってしまうと、「この人は音楽家で売れなかったから、起業家を名乗っているのか…」と見なされるリスクがある。
そのリスクを回避できるのだ。
既に起業はハードルが低い小商いだと知れ渡っているゆえ、そのように上に逃げるのである。
上に逃げた結果として、自分の容積が増えるまでが答えなのだ。
現実解。
まずは今すぐ自分ができる格の横展開で、座組みを作るといい。
身近な人でもいいし、読書という著者との座組みでもいい。
ツールを使うことも座組みのあり方だ。
成長していれば、だんだんと座組みのレベルが上がる。
ボックスコックスネット、遠藤武。
