資格試験と投資。

データ分析ここだけ話。

資格試験でステップアップする上で、
確実に強みが出せる分水嶺は会計専門職だ。

公認会計士・税理士・米国公認会計士の3つがある。

会計事務所として開業しないなら、
米国公認会計士資格でOK。

それなら堂々と、投資に関われる側に回ろう。

企業価値評価や、
事業価値評価など、
財務モデリングは、
投資に関わる上で必須の素養。

仮に関われなくとも、
FP&Aが出来ると、
本質は同じためやっぱりめっぽう強い。

FP&Aについては、
何回か繰り返しているけど、
少し前でも、データドリブン全盛の今も、希少価値が高い。

確実に言えるのは、
そこらへんのコンサルティング会社出身者より、
有用性が明らかに高いキャリアということ。

 

資格や経験があるから常に強いというよりは、
ビジネスの攻めと守りの全般を、
網羅的に触れられるから強いのだ。

ビジネスの攻めとは、
計数をプランして売上と利益を立てることだ。
戦略やM&Aからマーケティングも営業企画も含まれる。

ビジネスの守りとは、
コストを抑えて事業を確実に継続させることだ。
監査やリスク管理や税務やITはここに含まれる。

 

税理士は、監査やリスク管理までカバーしない。
税務特化だからこそ、必要ないと言えばそれまでだけれども。

そのぶん、タックスプランニングや税務調査はデジタル化が進むほどかえって重要になる分野だ。
税務周りの強みを発揮し、公認会計士より強くなる人もじわじわ増えている。

 

会計を扱う上で、ある程度頭が回る人なら、財務モデリングが作りたいという向上心は、攻めからも守りからも当然の流れだと思う。

知識は何事も手段に過ぎないから、単にどっぷりハマってガッツリやるだけでなく、知識を使ったその先でどんな「見たことがないものになる(創る)」かが大事だ。

もっともっとシンプルに言えば、
IT導入にしか関わっていないコンサルや、
戦略や投資スキームというニッチにしか関わっていないコンサルや投資銀行やファンドは、
規模の大きさのわりに、
「ビジネスの本質は、個人商店の仕組み化にある」
という、生々しい事実になかなか気づけないのだ。

資格を持っている場合、この事実に気づけた人は強い。

 

資格から脇道にそれて、外資企業でのファイナンス部門でのFP&Aの思い出。

ファイナンス部門は少数精鋭で経営管理を行う部門から、結局、
攻めも守りもまとめて経験させてもらった。

思いのほかバラバラだが、バラバラを統合させる感じだ。

売上の進捗管理は、
プロジェクトマネジメントと同じ。
プロジェクトマネジメントにしか関わっていない人は、
この事実は一生気づけないかもしれないが、
FP&Aは、営業やマネジメントのトータルの仕組み化であり、
これでもかというほどキャリアで強みになると実感した。

FP&Aとは、売上管理もコスト管理もサプライチェーンマネジメントの流れも、
少なく見積もって一人(あるいは自分と上司の二人)でカバーし、その企業の内情が全部まるわかりというポジションだ。

平たく言えばゼネラルマネジメントの基礎ということになる。

30代前半でそんな経験にどっぷり浸かってしまい、
ToDoを各チームに出し、仕組みを作ることに、ついついハマって楽しく道草を食っていた。

FP&Aの前に、統計モデリングを用いた新規事業立ち上げ+販路拡大を経て、
製造業のSCMまで経験したけれど、
データ分析のあるところには常にチャンスがあると気づいた。

当時500店舗以上を持っていた年売上高数百億円規模の企業での経営管理も、
そのマーケティング(=素人でも営業が回る全体攻撃化の仕組みがマーケティングだ)も、
売上高数千億円超え企業のファイナンスも、売上高兆円単位の企業の戦略やデジタル化や新規事業立ち上げも、
実際に経験すると、実のところ同じ仕組みや発想を共通して用いている。

きちんとデータを網羅していくという習慣付けが、いずれもなされていた。

FP&A、統計学、財務モデリングは、それぞれバラバラになりがちだが、どれも知っていると強いと気づけた。

 

現実解。

資格があると、バラバラに気付きやすくなるという特徴が出てくる。

専門知識から複数の事例を見てしまうと、
どこがマネジメントの泣き所で、
どこが成功の落とし所か、
一発にわかってしまうんだよね。

知識と経験を常に塗り重ねば、
嫌というほどよくわかるけれど、
最終的には、数字の裏に、
どうやって人が動いているか、

どのような思惑があるのか、

そのためにどんなToDoを決断すればいいのか、

たったそれだけでしかない。

資格がある場合、ひとつ気づけるだけで、あっさり強みが出る。

 

追記。

統計学も会計学も、本質は同じ。

どこかでわかっていたけれど、
今日改めて気付かされました。

本気で目を輝かせて問われたら、
誰だって本気で答えたくなります。
ただそれだけに、感謝です。

 

追記の追記。

そうこうしているうちに、今回のデイリーレポートで書いた分野について、中央経済社さんの『旬刊経理情報』誌で連載しています

この分野は、控えめに言ってチャンスだらけ。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。

↑詳しい自己紹介は上記リンクを参照。

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