「みんなちがって、みんないい」を、そのまま強みとして認める点にある。
そうじゃなきゃ、グローバル展開のプロジェクトは、絶対に推進させられない。
ただし、海外田舎企業の日本法人は、さにあらず要注意。
現実解。
新卒就職や転職で大人気の外資は、ほぼ確実に「みんなちがって、みんないい」という文化を持っている。
カタカナで言えば、ダイバーシティというやつだ。
これは「我々はかっこいい!」と思ってもらうことで、従業員に喜んでバリバリと労働してもらうためにある。
グローバル展開の大規模プロジェクトが前向きに進むのは、ハイスキルの高学歴が集まっているから、というだけではない。
「かっこいい!」「自分が成長できる!」「野望を果たせる!」
価値観を徹底して共有してもらい、一家言あるクセの強いたちを、まとめて上手く活用するのである。
言い方は悪いが。ともすれば口先に逃げがちな北米・欧州圏の人たちに、そっくりそのまま前向きな自己啓発と教育を施して、使い倒せるのである。
成長可能性の仕組み化を果たしており、立派なマネジメント手法だと言っていい。
最近は、英語でのコミュニケーションが必須になった日本の大企業でも、似たような流れが出てきている点も強調しておこう。
この真逆が、グローバル展開していない「ただの海外ローカル企業」だ。
特徴を列挙しよう。
欧州だけで展開、北米だけで展開、日本での展開は初心者、日本への商流は日本の企業に代理店仕事を丸投げして放置、英語しかできない時給二千円の派遣スタッフの分際でやたら態度が大きい、英語しか使えないカントリーマネージャーのスキルが粗悪…と言ったところだ。
「ただの海外ローカル企業」は、率直に言って、日本の中堅企業より、遥かに人材とマネジメントの質が低い点に注意だ。
ただし、活用できる利点もある。
日本進出でのゼロ立ち上げで重要ポストを担い、さっさと昇進・独立する経験を得ることができるという点だ。
あまりにレベルが低いので、ちょっとしたことが出来るだけでも、あるいは英語と日本語でちょっとした業務が出来るだけでも、あっさり評価されるケースが多々ある。
リスクを取って自分を高めるなら、グローバル企業も、グローバルと言えない海外ローカル企業も、使い所はたくさんあるんだよね。
boxcox.net、遠藤武。