経営トップの仕事は、見込み客作り。

daily6 人と技術と成長。

社長業の本質って、年売上高10〜30億円くらいまでは、

ありとあらゆる手で見込み客を作って、スタッフさんに受け渡すことなんだよね。

作業で忙しく過ごしていると、100%成長が止まる。

 

現実解。

私が知っている一次情報から言っても、
企業を成長させてきている人の言をまとめても、
「社長ほどヒマに過ごして、トップ同士で見込み客を作る」
ことが、何にも増して第一優先なんだよね。

資本主義の原理原則から言い切ってしまうと、
先に見込み客への動線が確保されていれば、
事業はあっさり成長してしまうし、
時としてターンアラウンド(再生)を果たします。

「そんなこと言っても、どうやって見込み客にアクセスすればいいんだ!」
とても真面目な人から、そんな怒りの声が聞こえてきそうだが、
見込み客に自力で1つ1つしかアクセスできないのは、
単に座組みという他力を組めない実力不足である。

資本を扱う経営トップは、単なる営業マンと違う。
経営トップは、他社にも自社にも利益をもたらす座組みを組む必要がある。
営業マンは、上から言われた商材を売るだけでいい。
座組みで自社の実力を有利に出す、土俵づくりの発想がないのであれば、
それは経営トップではなく、ただの営業マンに過ぎない。

座組みの具体例を挙げよう。

業界紙に載るくらい突出していれば、いつもネタ探しに悩んでいる業界紙に、
自社の新規事業の公式発表を出させ、数日や数カ月に渡って、
見込み客に向けて認知させることなど、容易い。
それを複数の業界紙から尊敬を得て、紙面ジャックしてしまったり、
新規事業の中身を他力本願でブラッシュアップしてしまえば、なお強い。

これは私がサラリーマン時代に、
新規事業を有利に進めた際の経験のカギとなった要素である。
このおかげで、リーマンショックによる金融危機の余波で半減した売上高を埋め、
事業を強引に再生させたという、貴重な経験をすることができた。

また、ゼロから1年半で年売上高40億円までスケールした外資企業の立ち上げも、
営業とマーケティング組織の座組みによる見込み客確保に、極限まで先んじて集中しており、
意図的に競争が起こらない無風状態を誘導していたという、シンプルな事実がある。

この2つの経験から、先手を打って座組みを作り、
お互いに得をさせる発想の重要性を、心底痛感させられた。
上手くいく新規事業とは、相手のメリットに集中した、出来レースだと言っていい。

いっぽう、大多数の売上不足の企業は、経営トップにこのような視点が一切ない。
視点がないだけなら、視点を得ればいいのだが、
それ以上に全く目先に余裕がなく、メリットどころですらない
また「そんなコネクション、自分にはない…」と言っていいのは、営業マンだけだ。

つべこべ言わず、お客様と見込み客が何を得たら喜ぶか、
どのような人との座組みを得たら先方にメリットをもたらすか、
かつ同時に自社の見込み客を自ずと掘り起こせるか…を、
日々頭に汗をかいて考えて実行して精度を上げることが、経営トップの仕事だ。

圧倒的な実力と、心地よい人間関係から、
真っ先に目の前にいる人に得をさせる。
結果的に自分にも得が回ってくる。

結果的な話しでもあるが、1+1=10の発想で、
先手を打って座組みを作ってしまうことが、
経営トップの仕事の本質なんだよね。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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