自分に対しても厳しい人は、得てして人に対しても厳しい人だ。
もし他人から「あなたは厳しい」と複数人から言われた場合は、
時折「スキ」を作ってみると、深みとチャームポイントが出せる。
現実解。
人に厳しい人は、
自分に厳しいが故に人にも厳しくするのであって、
特に悪気があるわけではない。
むしろ、学ぶことや成長することに積極的で、
立派な実績や理念を持つ場合が多い。
この姿勢は、100%正しい。
だからこそ、100%の正しさにこだわり抜くのではなく、
意図的に1%や5%のスキを見せるのだ。
コツは「誤差の範囲の物事だよね」として、
ちょっとしたことを許すことにある。
「なんだって!スキを作るなんてけしからん!」
と、思うかもしれないが、半歩だけ過去に戻って、
成長していなかった頃を思い出して欲しい。
もし若気の至りで失敗してしまったときとか、
成長できず行き詰まってどうしようもないとか、
ただただ厳しく正論を詰められ、
叱責され続けたとしたら、
あなたはどう感じていただろうか。
幼少期に、褒め言葉も一切ない、
単に厳しいだけの状態が、
5年も10年も続いたとしたら、
あなたはどう育っていただろうか。
もし仮に、ただ厳しいがあまり、
毎日の何気ない一言が、
正論で埋め尽くされたとしたら、
冗談を言って笑うことも許されず、
過去を笑い話にして成長することすらままならない。
ひたすら真面目に屈服させられるより、
自由に想像して充実の中で納得するほうが、
素直に成長できるのである。
もしあなたが経営者でリーダーシップを発揮したいなら、
厳しいだけでは誰も着いてこない。
厳しいことそのものが悪いわけではないが、
わざとスキを作って、
「あの厳しい人でも、抜けたところがあるんだな」
「あの人は、だからこそ厳しいのか」
と素直に受け止めてもらったほうが、
厳しい人の厳しさが、より目立って光り輝く。
人によっては、ギャップがたまらなく魅力的に映り、
チャームポイントとして映えるだろう。
また、厳しい故に、自分の失敗を自罰的に叱責したりすることや、
厳しい故に、自説を全く譲らず失敗するということも、
意図的にスキを作ることで、回避できる。
わざと「スキ」で損を取るというお賽銭を払うことが、
自分のパフォーマンスや品質を、更に押し上げるのだ。
不安に駆られて他人や自分に厳しくなる人や、
無意識的に厳しさばかりが出てしまう人は、
「スキ」というお賽銭を払うだけで、
ご利益があると覚えておくと、物事は円滑に進む。
「スキ」も実力のうちということ。
boxcox.net、遠藤武。