自分のビジネスの潰し方から、逆算する。

daily6 人と技術と成長。

何をしたら自分のビジネスが潰れるか。

ほんの少しだけ勇気を出し「マズい事実」を素直に受容すると、

最も嫌なシナリオを回避できる。

 

現実解。

そもそも慢心したり、尻すぼみになるのは、
「自分の弱点について、事実を認めず、見て見ぬフリをする」
の一つだけしかない。

事実をありのまま列挙しよう。
代理店の経営者なら、いくら稼ごうとも、依頼元である大企業の若手担当者にすら頭が上がらない。
資格職なら、いくら頑張って技術で差別化しても、資格の独占業務に頼る限りはコモディティだ。
フリーランスなら、ごく一部の「圧倒的強者」にならない限り、代わりがいる下請けだ。
下請けなら、脱・下請けしない限り、独立とは名ばかりでああって、そこらのサラリーマンより格下だ。

……これらはほんの一部に過ぎないが、臭いものにフタをするかのごとく、「常識はこうだから」という消極的な態度で、無視され続ける事実たちだ。

ここから脱するには、自分が今やっていることの立場を素直に認め、
「何をやっていたら競争に巻き込まれて、尻すぼみで潰れていくか」
という、この上ないタブーに、勇気を持って素直に斬りかかるしかないのである。

とはいっても「今やっていることは、明日いますぐ潰れない」という状態が9割だろう。
(もし「現に明日いますぐ潰れそうだ」というなら、超特急で応急処置するしかない。)

9割方は平穏無事だからこそ、まあまあでナアナアのぬるま湯状態が生じ、慢心を発生させる。
慢心の延長線上で、「常識はこうだから」と言葉も疑いもなく行動していると、気づいた頃には後の祭りとなり、再起不能だ。

後の祭りの回避するには、どうすればいいか。
「自分のビジネスがどう潰れるか」を、先回りして本気で頭を使って行動すればいい。

ビジネスが潰れる原因とは、一言で表すと、客離れ・人離れだ。
何をどう発言・行動していたら、客離れを起こすか、重要な関係者や従業員など人が離れていくか、先回りして考えておけばいい。

あらゆる物事について、コモディティ化が叫ばれて久しい。
下請けに甘んじることが奴隷状態であることは、もはや語るにおよばない。
コモディティや下請けとは「まあ、この人でいいか」とうすぼんやり使うものであって、そもそも客離れの原因を含んでいる。

コンビニやスーパーで扱われるような商品やサービスは、大量生産・多店舗展開しているので、うすぼんやりでも再度ピン!と来てもらえればよく、だからこそ数の論理でCMや広告を打って人をつなぎとめるのである。
これが個人の場合、うすぼんやりとしているようでは、あっという間に人離れして終わる。

潰し方から逆算することとは、人離れを逆算することにある。

「人離れ…そう考えると恐ろしい…」
そう感じる繊細な人は少なくないかもしれないが、そのように臆病になることは、100%正しい。
だからこそ「現に、明日いますぐは人離れしないし、潰れない」という9割方の平凡な日常は、ただ尊い。
繊細な読者のために斬りかかると、阪神淡路大震災や東日本大震災クラスの災害や、現今のコロナ禍と呼ばれる状況で弱さが一気に露呈するようなケースでない限り、明日あっという間に潰れてしまうことは殆どない。
金融危機でさえ、明日いますぐ潰れるというよりは、もともとの弱さが露呈してダメージを受け、潰れていくのである。
だからこそ平凡な日常とは「活用して先回りして考えるための、非常に貴重なリソースであり、余裕」だと言い換えてしまえばいい。

「これは放置したら潰れるけど、解消すればチャンスだな。」
潰し方から逆算できれば、チャンスも見いだせるし、ちょっとした日常こそが貴重だと納得できたら、儲けものだ。

(追伸)
「コモディティ化は危ないな」と、ぼんやりでも認識している人ほど、日常で洞察ができており、決断も行動も非常に早い。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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