相談する相手。

daily6 人と技術と成長。

相談する相手は、相談内容以上に重要だ。

相手を間違えると、そもそも物事が解決しない。

相手を3人選び抜いても解決しないなら、相談内容そのものが間違っている。

 

現実解。

高校生から大学生くらいのときのことだ。
「とある分野」を進路として選びたく、海外・国内から見定めたものの、
欧州や北米に比べ、日本国内はあまりにも幼稚でレベルが低く、
教育の投資対効果もほとんどないとわかった。

伝統分野のためか、市場のパイが小さい割にはやたらと古臭く、
その進路自体について「自分には縁も才能もなかった」と断念したのは言うまでもない。
最高レベルにいくら相談しても、対応できるプロが全くいないのだ。
技術をいくら誇ろうとも、指導内容は完全にアマチュアレベルで、運頼みの業界だったのである。

その道のプロと呼ばれる人の複数に会い、
かつ腹を割って話して頂いた末の、事実と直感に基づいたこの決断は、
全てにおいて100%正しかったと今でも確信している。

ここで最も驚かされた事実は、その進路でプロになっている人で、
30代や40代になっても事実を集めたり研鑽も半端に過ごし、
ひたすら目先の日常だけでサラリーマン的に過ごす人が数多くいたという点である。
また、業界関係者で「ワナビー」として関わっていた人が、
その道のプロは概ねサラリーマン的に過ごしている事実や、
そもそも教育の投資対効果が非常に低く仕組みが足りていない事実を完全に無視していたという点だ。

要は、私自身が、この業界のファンになる気が完全に失せてしまったのである。

断っておくが、この分野はファンを集めてなんぼの分野だ。
(この「とある分野」が具体的に何なのかは、読者の想像に委ねたい。)
また、私が相談していたプロの方々は、少なくともサラリーマン的には過ごしてはいなかったはずだ。
(そのおかげで、相談していなかったプロの方々が、参入障壁が高い割に、技術レベルも人間性も低かったという事実がよくわかったが。)

夢物語だけで語るなら、思い出として美しくもなる分野ではあるし、
もちろんプロと呼ばれる人は、相応にチカラがあるのだが、
その鍛える過程たるや「こんなレベルでプロと名乗っていたら、お金がかかっている分野じゃ、底辺にすらかすりもしない」という、運頼みのような状況であった。

 

ここだけで終わるのであればさておき、この話には実は続きがある。

時が経って、ビジネスに関わる立場になって、はっと気づかされた。
・相談する相手や、相談する分野が間違っている場合は、根本的に何も問題解決しない。
・そして、それを意図的に行っている「ニセモノ」がビジネスには数多くある。
という、2つの事実である。

これはさしずめ、「とある分野」とは、どこからも尊敬されない営業マン頼みの企業と同じだということである。
(営業マンに詰め寄るだけの組織は、求職者から避けられ、社会的に一切尊敬されない。)

また、世界と国内でレベルの高低を見ることで、
「きっとこの日本のプロに、世界の知見を伝えたら、キレ出すだろうな」
という点まで、確実に把握し切っていたため、
下調べで土俵に知悉することの重要さを痛感したのである。

下調べをし切ってしまえば、何をどうやったら問題解決するかしないか、
何がニセモノなのか…という点は、率直にいって想像がついてしまう。
(これは純粋に知的生産のスキルだ。)

目の前でプロとしてやっている人について、
「本当に学び続けてチカラのある人なのか、途中で諦めた人なのか」
が自ずとあぶり出せてしまうのである。

このような逆算ができれば、少なくとも、本当に関わるべき物事なのか、
あるいはそうでないのか、目算がついてしまう。

ビジネスや転職や進路に関し、確実に勝つことについて、
自分が相談を受ける側に回っているのも、目算をつけられるためだ。

有利な土俵を作れないのであれば、率直に言ってやる意味などないし、
そのまま放置してしまうと、有利な土俵どころか、そもそも無理がたたって、
体や精神を壊してしまい、プロ失格どころか活動不能に追い込まれかねない。
(「とある分野」には、体や精神を壊す人が、当時腹を割って話したプロの人の中にいた。)

自分に有利にならない土俵で才能を発揮すると、
その才能はどこかで閉ざされてしまう。
関わる必要のない物事には、一切関わる必要はない。

相談して結果が出ないなら、思い切って土俵を変えてしまうほうが、
自分の才能を深堀りしていくには、一番大切な視点なんだよね。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

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詳細は上記リンクを参照
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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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