「カネは天下の回りもの」という言葉がある。
これは正確には「カネは天下から天上に向けての回りもの」だ。
これだ!とピンと来た商品やサービスに、敬意や執着を持って支払いされるからである。
現実解。
多数を占める中間層から貧困層がお金を使うほうが、
少数派の富裕層がお金を使うよりもインパクトが大きい。
トリクルダウン(富裕層がお金を使えば中間層や貧困層も富む)という言葉がもてはやされたが、
経済の原則で言えばこれは間違っているということだ。
中間層や貧困層を抜け出したいなら、敬意を集める側に立つ必要があり、
多数派であるその他大勢を脱する必要がある。
これはどのような組織でも、原則として社長やCEOといったトップが一番報酬が高く、
その次に管理職、一番安いのが平社員…という構造があることと同じである。
簡単に言うと、安い賃金で平社員に代行してもらい、
その上でトップの一番価値の高い仕事を回せるのである。
これは敬意を集める構造だと言い切っていい。
付け加えておくと、敬意が集まらない実力不足の業界やトップほど、
全体で見た時にその他大勢である下側に甘んじることになる。
零細企業は下請けや代理店ばかりという事実は、
大企業に比べて敬意のない人やモノやサービスが集まっており、
従ってお金の面でも時間の面でも下位に甘んじていることに他ならない。
脱下請けやマーケティングやコンセプトデザインが重要なのは、
敬意をわかりやすく集めるようにするためであり、
敬意がないところにだけ、
お金や時間のロスが頻発すると思っておくといい。
boxcox.net、遠藤武。