他人のチカラと自分のチカラを掛け算して、
座組みを組む事が、ビジネスで言う他力だ。
「私は他力本願なんて嫌いだ!」
と言いたくなってしまう人の気持ちはよくわかる。
実力を個人でつけることは、何より尊い。
同業者で寄り集まっているだけの交流会やセミナーは、
実力不足を通り越して、うだつの上がらないサラリーマンのような、
ねちっこい気持ち悪さしか残らない。
いっぽう個人だけで限界が来ると、
自分で出来ること以上の物事ができなくなる。
これをカバーするために、座組みとして、
企業も個人も提携を結ぶのである。
最近目立つところでは、
家電量販店の中に家具店が入って、
家電に合う家具を提供しているケースが思い浮かぶ。
これは、例えば「4Kテレビと電動ソファー」という組み合わせのように、
家の中に小さな映画館を作ってしまう発想に行き着く売り方だ。
このご時世、動画配信サービスもあれば、地デジやBSの録画もできるため、
高画質で映像を見るという行動のレベルが、グッと上がっている。
映像環境の変化を捉えた、他力本願の好例と言っていい。
ここから何が言えるかというと、
ちゃんとひとりひとりに実力があれば、
「他力本願」は、他力どころか、
自力を2倍にも10倍にも強化できる事実があるということだ。
実力があるということは、提供できるサービスが非常に強く、
それぞれ持っている市場も強いということになる。
行き詰まったら、それを組み合わせて掛け算するのは、常套手段なのだ。
「それでもやっぱり、他力などしっくりこない!」
と感じる人のために書いておこう。
「他力」という言葉を分解すると、部首を「人+也+力」と表せる。
「也」は「語気を強める」とか「人物への呼びかけ」という意味がある。
この2つから、他力とはそもそも、
「人に呼びかけて強めるチカラ」だと言っていいのだ。
これは、ただの同業者の馴れ合いだとか、
名刺交換会ごときでは成り立たない、
自立心がある人のためにこそある他力の考え方だよ。
もっとストレートに言うと。
「1+1=2という常識を、1+1>2という非常識に楽しく変えてしまうこと」
が他力の本質なんだよね。
自立心があることは基本中の基本だが、
自立心があるあまりに頑固になってしまっては、
自立が孤立無援にすり替わってしまう。
それは苦行であり退屈だ。
そんなときこそ、自立心のある他力本願で、提携や協力を通じて、
ワクワクしながらラクにラクにゴールに到着すればいいのである。
(追記)
2020年は、繋がりがガラリと変わった。
そのおかげで「誰とやるか」について強く気付かされてばかりだった。
「誰とやるか」という座組みが重要というのは、
周りを楽しく巻き込む・巻き込まれることで、
より遠くに向かうことが短期間で出来てしまうからなんだよね。
状況を変えたいなら、少し遠回りしてもいいから、
年明け早々から目の前にいる人をガラリと変えるくらいじゃないとね。
boxcox.net、遠藤武。