日本の格差社会の本質。

daily6 人と技術と成長。

本来存在していた物事が、表面化しただけの話だ。

「終戦直後の貧乏から、右肩上がりしていた」

という局面が終わったに過ぎない。

 

そもそも世の中には、中国やギリシアやローマの古代より、

現在に至るまで、多かれ少なかれ格差がある。

日本の場合、戦後復興の混乱と、

高度成長や年功序列という「一時的な状況」が、

格差をすっぽり隠していただけだ。

 

本来の原理原則で言えば、

会社は不正行為から突然倒産することもあるし、

買収されて長年の歴史に幕を閉じることもある。

大手企業が自主廃業したケースも最近取り上げられている。

護送船団方式で「潰れない」と言われていた企業が、

消えてなくなるというのは、

戦後の右肩上がりはとっくに終わった過去だと認識している人なら、

あっさり納得できる。

転職市場がそもそも明確に「市場」として活性化したのも、

優秀な新卒が外資企業やスタートアップにこぞって行きたがるようになったのも、

「そもそも世の中には格差も競争も存在している」

という事実に基づいて動いているからだ。

学問は職歴と同等として重んじられ、

学歴で明確に差が出るのは言うまでもない。

日本の場合の試験偏重が批判されることもあるが、

大づかみすると世界の大学のランキングと大差ないと言えてしまう。

これは一定の世代を超えていたり、

一定レベル未満の階層では全く理解できない様子だけれど、

事実として認める以外にない。

事実に適応できないということは、

自ずと淘汰されるだけでである。

 

もっとはっきり言おう。

多数派の側にいても、

そこまで頭をつかっていなくても、

成長の恩恵に預かれたのが、

高度経済成長期であり、

昭和の昔だと言っていい。

今はとっくにそんな時代は終わった。

いっぽう、明確に成長している分野は確実に存在している。

全部の市場が一気に成長するという、

非常事態宣言のような状況から、

もともと伸びる市場か否かという、

当たり前の状態に戻っただけだ。

「こんなんじゃ希望が持てない」

と思うなら、人間の行動と頭脳で、

伸びる分野や、自分にとって伸ばしやすい分野を、

選びぬいてポジション取りする発想を持とう。

 

もし今10代で将来に悩むなら、

英語と数学から逃げず、

上位レベルの大学を受験するのが手っ取り早い。

もし今20代以上で将来に悩むなら、

外国語とテクノロジーと転職から逃げず、

自分のポジションを上げて、

上に逃げていくしかない。

もし学歴も職歴もどうにもならない教育水準なら、

頭が悪くても素直に行動力だけが活かせる、

不動産や保険や飲食のような、

市場参加者のレベルの低い分野に行くしかない。

人間には頭脳があるから、

動物のような弱肉強食状態は、

工夫次第でいくらでもかわせる点は事実だ。

 

頭が悪いなら、もっと頭が悪い人との比較で勝ちにいく。

頭が良いなら、もっと頭が良い人を使う側になったり、

頭の良さの基準にあるスキをついて勝ちに行く。

これは頭脳の相対的な使い方であり、

自分のレベルを上げている人は必ずやっているんだよね。

格差はどうやって自分の横綱相撲に持ち込むか、

疑い方や着眼点を、頭の使い方として問われているんだよね。

 

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。

↑詳しい自己紹介は上記リンクを参照。

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