自然体の社長、背伸びする社長。

daily15 審美眼。

立場上私は経営者と普段から関わっており、

サラリーマン時代の最後は創業社長と仕事をした。

 

規模も分野も年齢もバラバラだが、ひとつ気付かされるのは、

継続して成長する社長は、背伸びせず、ごく自然体という事実だ。

これは年齢も分野も関係ない。

淡々と学んでおり、着々と成長し、勉強熱心である。

相手を気遣わせないようにする立ち居振る舞いが、とても自然だ。

 

これと逆で、少しでも自分を大きく見せようとして、

知識不足や知見不足を露呈する社長もいる。

淡々とロジカルシンキングしているようで、

どこか取ってつけたかのような不自然さが残り、

分不相応に圧が強いのである。

 

率直に申し上げると、

ロジックが目立ち、圧が強いと、

「あらら…頑張り屋なのはわかるけど、これだと空回りしてしまうな…」

という洞察が反射的に脳裏をよぎる。

もちろん表情にも発言にも全く出さないが。

 

私はそんな頑張り屋の社長が嫌いではない。

むしろ好きである。

頑張り屋さんが報われる世の中になってほしいからこそ率直に申し上げよう。

必死でロジックや圧を駆使して背伸びする発言よりも、

淡々と素直に「学ばせてください!」と言い切るほうが、

かえって凄みが出て、応援されやすくなる。

そのように嫌われないほうが、生き延びられる。

 

一定レベル以上の人は心得ているのだが、

建前も本音もあまり関係がなく、

最終的に辻褄が合えば、ビジネスは事足りる。

格式が高い人ほど、そのような実利を心得ている。

レベルが高いからこそ、とてもとても素直になるほうが、結果的に目立てるのだ。

 

これは、虚勢を張っていたり

特定業界・特定企業の断片的な経験だけでお話を決め付けていると、

「この人はレベルが低いな」となってしまうから注意しておこう。

特に若手経営者でイケイケドンドンの場合、

このような虚勢がたたって、応援されなくなってしまうまでが答えだ。

 

現実解。

頑張り屋さんほど「自分に何ができて、自分に何ができないか」を素直に把握しておこう。

一流の下限のプロからすると、背伸びしようと全てお見通しである。

素直にプロを味方につけ、楽勝で成長できるほうが、社長としての度量が身につき、何より面白い。

ボックスコックスネット、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
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