「日本に進出したい」という、
海外からの投資の意図を持つお金の流れは、
実は思いのほか数多く存在する。
これが目立たないのは、
投資を受け止められるスキルやつながりを持つ、
日本側の事業家の人員があまりにも少ないためである。
外資企業の話題がどうしても目立つのは、
常にリターンを得ようと躍起になって、
このような投資計画や人材探しをしつこく繰り返すためだ。
日本の側で、このような海外マネーの流れをプランニングし、
企画・経営・運営できる事業家は、非常に数少ない。
これらの人らは、就職先ランキングといった世界ともほとんど無縁だ。
先に断っておくが、外資企業に在籍したからといって、
事業家になれるわけではない点に注意しておこう。
コンサルティングファーム出身者は、
資質は近いものの、徒弟的にクライアントに忖度するアウトプットが主たる仕事なので、
事業家というよりは、ブランドのある軍師止まりでしかない。
新卒集団就職するサラリーマンは、
英語ができないか、役職や経験年数で動く官僚的なビヘイビアを押し付けられるため、
このようなタイプの事業家になるような資質が得られない。
スタートアップ企業の青臭さや失敗覚悟の資金調達では、
そもそもこのような事業家は本質的には育つ土壌がない。
もし育つとすれば、新卒で(昔の)外銀に入ったか、
総合商社の特定の分野において、たまたま活躍する機会に恵まれたか、
大学在学中から似たようなことをしているかの、3択だ。
独特のひょうひょうとした自由な世界を生きているので、
事業家は自ずと目立たない存在として、
淡々と稼ぎつつ動き続けるのが生態だ。
(最終的にテレビ屋になるようなベンチャー創業者は、事業家ではない。)
分野は違えど、プログラマーと近いところがある。
もし見かけたら、そっとしておいてあげよう。