「引用元の明示なしに論文を書いたらダメですよ」という、全ての学問に共通するルールがある。
これに反する行為を「剽窃(ひょうせつ)」という。
敢えてわかりやすく「パクツイや無断転載まとめサイトと同じ問題」と言っても良いだろう。
まともな大学なら、学士課程の初年度から、論文の仕組みと構成と書き方を徹底して叩き込まれる。そのような全学生必修のプログラムが存在している。
これと並行して、色々な講義でのリーディングとディスカッション・演習・実験と、そしてレポート執筆にひたすら追われる。いずれの講義も、知的生産を行う上で、非常に興味をそそられる構成をしており、かつ学生には専攻を選択する自由が確保されている。
この全体の仕組みの中で「剽窃はダメだよ」というメッセージが、実践を通じて徹底して繰り返される。
また実際に剽窃したら、大学や大学院はおろか、学問の世界から追放されてしまう行為であることも強調される。
日本で「大学がつまらない」「論文が書けない」ということに悩まされる学生(あるいは後者のような学生に悩まされる教授)は、こういう仕組みの有無を基準に、自分が関わる(学ぶ・働く)大学を選ぶ他ない。
単にアクセプトされる論文を書こうとするだけでは、本末転倒で誰も面白くもなく、中身のない剽窃の始まりになりかねないんだろうね。