この場合のインフレーションは、経済用語ではなく、
社会的な立場に慢心して持ちうる「中身のない高揚感」のことだ。
この状態に入った人は、どこかで襟元を正して方向転換できなければ、
いずれ社会的な立場の減損と心中して消えて行くことになりかねない。
特に昇進したばかりや起業したばかりの人に、よく見られる現象だと言って良い。
ろくなスクリーニングもない状態で、
自分の知識や実力以上の物事を任されてしまい、
その割に独立心も冷静さも自己への懐疑心も無いために、
中身の無さがひときわ醜く露呈してしまうのである。
これを「自惚れ」と呼ぶには、あまりに可愛げが足りない。
要は、三日天下のようなものなんだよね。
インフレーションを見かけたら、
そっと離れて深くかかわらず、
行く末を観察しておく程度で構わない。
ちょっとした成長で喜ぶことは大切だけど、
成長したらすぐに成果を手放して誰かにプレゼントして、
心のインフレーションを上回る形で中身を成長させればいいだけの話だ。
自分の価値観がインフレーションに巻き込まれるのは、
暑苦しいだけでしかないんだよね。