「遠藤さんの言う『仕組み化』や『仕組み』は、どのような知見から来るものなんですか?技術的な背景は何なのですか?」
根本的には「多忙や面倒ごとに悩む経営者さんが、本音となる理想を叶えながら、社長以外の仕事を委任できる」ことを「仕組み化」と呼んでいる。
とはいえ、このような言い方のままだと、特定の誰かがなんとなく貯めた「ノウハウもどき」「お気持ち表明」になってしまいかねない。
そんな実情を見てきたため、データ分析を軸にするゆえに、技術的に「仕組み」はJIS Z 8115の【システム】の概念から誘導している。
JIS Z 8115の用語を使うと「【システム】が【ディペンダビリティ】を有していること」が「仕組み」であると定義して説明できる。
日本工業規格 JIS Z 8115:2019
ディペンダビリティ(総合信頼性)用語https://kikakurui.com/z8/Z8115-2019-01.html
192-01-03
【システム】
要求を満たすために集合的に振る舞う,相互に関連する一組のアイテム192-01-01
【アイテム】
対象となるもの。
注記2: アイテムは,ハードウェア,ソフトウェア,人間又はそれらの組合せから構成される192-01-22
【ディペンダビリティ】
アイテムが,要求されたときに,その要求どおりに遂行するための能力192-01-08
【プロセス】
ディペンダビリティにおいて入力を出力に変換する,相互に関連する又は相互に作用する一連の活動。
注記3: 一連の活動には資源を利用すること,すなわち,人材,財政,施設,機器装置,技術又は方法の活用も含む。
この背景。
【システム】も「仕組み」も、同じ「し」から始まり、技術的な視点を直観にも基礎づけられるためだ。
またJIS Z 8115は、信頼性工学の基礎概念として、データ分析(=統計学) の要素も含んでいるという点を踏まえている。
資源の扱い方について、FP&A,財務モデリング,アナリティクス(マーケティング/プライシング/AI/BI/DX含む)に横串を通すことが狙いだ。
組織マネジメントの強化、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の浸透という企業の存在価値の質的変数の強化を踏まえ、「仕組み」というひとつの系として運用し、企業価値向上を実現する。
要は「仕組み」とは、FP&Aと統計学と掛け合わせた増補拡充版ということである。
現実解。
気をつけて欲しいけれど、技術的な説明について、悩みを抱えた経営者さんに最初から突然することは絶対ない。
お客様目線に立つと、技術はあくまで後付けだ。
技術的な話が先行するのは、そもそもこちらの一方的な能書きでしかなく、お客様向けに不必要に出しても理路整然と間違えた対応でドン引きされてしまう。
技術も大事だけど、まずは本音をどうやって技術に乗っけて、お客様に喜んでもらうことに徹する姿勢こそが、仕組みの大前提だと捉えておこう。
boxcox.net、遠藤武。