「何かに取り組んでも、もう一息!というところで息切れしたり、失速してしまうことが多いです。自分で自覚できていない物事があるかも…と悩んでいるのですが、もう一息!を自覚したいです。こういう場合、対処法はあるのでしょうか?」
こういう場合は、全て「基礎知識不足」を疑っておきましょう。
基礎知識をつけるという観点で、全て動きなおしてみるのです。
自覚症状がない場合、根本的に基礎知識が足りていない可能性があります。
「自覚できていない物事があるかも…」と思えるところに、素晴らしい美意識を感じます。
美意識があると踏ん張れますから。
つまるところ、物事の99%は知識でカバーできてしまいます。
先に失敗している人生の大先輩から、本で学んでしまえば、それは立派な基礎知識です。
家庭科の教科書に書いてあるくらいの、包丁の使い方を知っていれば、それも立派な知識です。
「それでも美意識の世界はカバーできないのでは?知識は関係ないのでは?」
これについても、あえて基礎知識の有無がカギだと思っておきましょう。
センスのない人は、美しくありません。
例えばデリカシーがないとか、
TPOをわきまえないとか、
「てにをは」がおかしいとか、
三流丸出しの言動が目立つとか、
お気の毒なほど散々なまでに、
美意識のない状態だと思います。
これらは全て、立ち居振る舞いに帰ってきます。
立ち居振る舞いという、基礎知識の話なのです。
あまりにも基礎的すぎて、
素直ではない人は絶対に聞き入れないから、
センスの話と混同してしまうのです。
ちゃんとフィードバックしてもらい、
それを素直に聞き入れるのです。
私の場合は、連載執筆の編集や校正について、
プロの編集者さんが対応してくれますが、
意図的にメッセージを込めた文言や一文でない場合は、
プロの言う通りに従うことにしています。
そうやって基礎知識を仕込んでもらうのです。
プロの編集者さんがいなくとも、
文章がおかしいとか、ボキャブラリーに自信がないとか、
なんらかの懸念がある場合は、
国語(現代文)がある程度できて信頼できる人に、
いちど読んでもらって、読みづらいところを指摘してもらうのです。
基礎知識を、誰かの手を借りてつけていくのです。
そして、これは文章に限った話ではなく、
立ち居振る舞いでも、事業でも学問でもプログラミングでも、同じです。
ちゃんと基礎知識のお手伝いをしてくれる人がいて、
素直に耳を傾ければ、間違いなく物事は良くなります。
どんな暴君でも、文法という法律に従わなければ、
「お腹すいた」も「愛してる」も、絶対に通じません。
コミュニケーションのボタンを掛け違えてしまうからです。
そのためにも、最低の最低でも見よう見まねで、
ちゃんと基礎知識をつける必要があるのです。
基礎知識不足とは、ボタンの掛け違えです。
ボタンがずれていると、美しくありませんね。
小さい子であればお母さんが「ボタンずれてるよ」と、
その場で直してくれるはずです。
大人であれば、直さず放置してしまうと、
ダサい人やヤバい人扱いされてしまいます。
服のボタン程度であれば大したことはありませんが、
基礎知識がないとか、
立ち居振る舞いがダメとか、
美意識が欠けていたばっかりに、
仮に何かで抜きん出たり勝っていたりしても、
ボタンの掛け違えが祟って、
負ける必要がないところで自滅してしまいます。
例えば、
価値のない業務なのに無理やり出世させられ、適性ゼロの全社マネジメントを任されて撤退の人柱にされたり、
国家資格が必要なはずの集まりで資格保持者ではない人が来ていて「嘘つき!」と悪評を買ったり、
自分のクチや立ち居振る舞いが悪いために人離れを起こしたり、
ヘルスケア分野に関わるのに中学の理科や高校の化学や生物の知識に乏しかったり、
義務教育レベルの国語や歴史がわからなかったり、
リテラシーがないために詐欺師に引っかかったりするのは、
率直に申し上げると単なる基礎知識不足です。
これに気づける美意識が大事なのです。
逆に言うと、
基礎知識不足を放置しなければ、
美意識が向上します。
難しい本で頭の良いフリをする人はあまり美しくないですが、
わざわざ小学校の国語や算数の本を読み直したり、
幼稚園児や保育園児が読むような絵本や児童文学を読み直す人は、
なかなか侮れません。
小学生向けや、幼稚園児や保育園児向けの本は、
その道の超一流が書いたものばかりです。
そうでなければ、なかなか売れませんし、
人生の超基礎の段階である年齢1桁向けに、
基礎知識のおかしい本が出回ることなど許されません。
出版社さんが、美意識で踏ん張って動いている分野なのです。
それだけ超基礎には、美意識が込められるのです。
現実解。
世の中を虚心坦懐に、美醜のフィルタで見てみよう。
基礎がなっている人は、例外なく美しい。
基礎がなっていない人は、例外なく醜い。
伸びていく人は、基礎知識がある。
落ちぶれていく人は、基礎知識がない。
たったそれだけだと、あっさり気づける。
boxcox.net、遠藤武。