売れる商品や企画をつくるために、自力ではなく、優秀な他力の勝ちパターンに乗る。New

daily14 壁。

さて、そろそろビジネスに一番大事な「壁の超え方」の話をしておこう。

ゼロイチや小規模でやるべきことは、「小規模なのに強い側」に立つことだ。

 

「粗利が低い…」「LTVが低い…(いつも新規顧客ばかり追いかける…)」「売り先が見つからない…」

ゼロイチ段階や小規模段階の企業は、はっきり言うが自分のアタマだけで考えすぎた、勝ちパターン不足だ。

売れる商品や、長く続く企画について、その中身の99%は、自分より優秀な他力を使って「小規模なのに強い側」に立っていることに気づこう。

 

平たく言えば、他力とは模倣だ。

自分のアタマで考える前に、模範解答を集めるのだ。

もちろん猿真似やコピーアンドペーストや剽窃ではなく、

元ネタを自分に最適化してお客様の成功を作り、自分が楽勝できる「土俵作り」という意味だが。

小規模なオーナー企業で、この事実を腹落ちしない社長が、あまりにも多すぎるのだ。

 

よくある例だが、せっかく社長が作った独自の勝ちパターンのタネが小さくゆっくりと育っていたのに、

二言目には同業他社(しかも概して社格は高くない!)の広報内容を鵜呑みにして賞賛したり悔しがったり、

それどころか、その同業他社のサービスを知り合いの社長が使っていることをわざわざ自慢するという「謎発言」を繰り返すケースが後を絶たない。

率直に申し上げるが、これは負けパターンであり、発言を聞く時間すら無駄である。

うすうす勝てないと気づいているのだろうから、もう事業を畳んで引きこもったほうが、幸せなのかもしれない。

 

大多数の人は、小規模な段階の勝ちパターンを知らないまま、

全部で常識的にやろうとして、小粒な自力のまま失敗する。

ありがちなダメパターンを集めると、

・代理店にフィーを払って任せよう
→それは年売上高10億円で上場目前からの話。これに満たない規模で「ぜひタダでも手伝います!」を出せない場合、お客様の成功が弱いか、サラリーマンの営業マンと同じ発想どまりの話。

・高いと売れないから安値にしよう
→安値にしていいのは、年売上高で1千億円の小売や飲食で、どんなに妥協しても最低でも100〜200億円からの話。

というものが目立つようになる。

ありのままを言うと、ただ単に「小規模で弱い側」の段階で「既存の強い側」の発想を使ってしまうのだ。

これは周りに「既存の強い側」のビジネスがあちこちに溢れているから、ついうっかりそれしか目につかないだけの話だ。

 

「遠藤さん、ちょっとひどすぎます!何も解決策はないのですか?」

そんな不安の声が聞こえて来そうだが、解決策はある。

「小規模なのに強い側」の事例を、本や記事でかき集めるのだ。

・興味の持てる「小規模なのに強い側」の勝ちパターンの事例をかき集める(今の実力は度外視する)

・お客様のお困りから逆算し、事例を再編集して今のありものと合わせ「自社の勝ちパターン」を作り、粗利と価格を高く設定する

・少しでもニガテなことや不利なことは極力避け、少しでも得意なことを勝ちパターンとして伸ばす

・伸ばした勝ちパターンを面白がってくれる他力をフル活用し、成長に応じて人間関係が次々入れ替わる事実を許容する

そうやって「小規模なのに強い側」の勝ちパターンを強固に構築することだけが、真っ先にやることだ。

イノベーションとは「新結合」であり、

既存の事例を再構成して自分にインストールし、

お客様のお悩みを解決すればいいのだ。

そこに1%だけ自分の価値や価値観やストーリーを入れれば、

独自性のある勝ちパターンはあっさり完成する。

 

現実解。

ありがちな実情として「小規模なのに強い側」の勝ちパターンに該当しない自力発想や常識的行動は、全てゴミ箱行きだ。

そのぶん「他人が打ち出した面白い発想や非常識な勝ちパターンを、信頼に足る本や書き物から徹底的に集め、行けそうなものをしゃぶり尽くせばいい。

これを2〜3ヶ月やっていくと、自分の意外な強みに気づける。

 

追記。

よく言う「TTP(徹底的にパクる)」も「MVP(Minimum Viable Product:実用最小限製品)」も、そうやって作ればいい。

ボックスコックスネット、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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