収入の差やトレーニングの有無はあれど、音楽家もアスリートも、本質はブルーカラーと同じだ。
音楽家は、楽器やオーケストラやコンサートホールのほか、演奏を実践できる身体なしにはなすすべがない。
アスリートは、スポーツ用具やチームやスタジアムのほか、技能を実践できる肉体なしには活躍すらままならない。
イップスでブレスがまともに取れなくなり、引退を余儀なくされた管楽器奏者がいる。また不慮の事故やケガで、引退する以外になくなったアスリートは少なくない。
いずれの状況も、猛トレーニングで積み重ねた資質と共に、その人は死んだも同然に追い込まれる。それどころか、もっぱら一般的でない身体の使い方のみで収入を得ていたため、一気に収入源を失ってしまう。
才を生かしてダントツに活躍することは喜ばしいけれど、地理で学んだように「モノカルチャー経済の維持は貧困の維持」という知見が、才ある人に当てはまってしまうのである。
本質的には、社会的弱者と変わらないとさえ言えてしまうんだよね。