データ分析が面白いのは、経営側の立場であり、権限があるためである。
この場合の権限とは、マネジメントする側として洞察を提示し、組織を動かすことだ。
予算と実績の差を読み取って洞察すると、予定していた動き方と実際の動き方について、違いがわかる。
違いから「やるべきこと」「やらないこと」を紡ぎ、次のアクションを作って、価値が出るようにしていく。
予定通りの価値が出ると、組織が面白いように動き、売上が立ち、キャッシュフローが残る。
すべては、権限があるからこそ、できる分析だと言ってよい。
予実管理(FP&A)の話。
予定を実現しきれた場合、事業はそれで事が足りる。
具体的には、商品やサービスがうまく「欲しい!」と噛み合って売れたとか、営業部門が確実に提案したとか、接客やカスタマーサポートが的確に動いたという変数の賜物である。
予定を実現しきれなかった場合、マネジメントの腕の見せ所である。
具体的には、商品やサービスが魅力的ではなく売れなかったとか、営業部門の提案がダメだったとか、接客もカスタマーサポートもやる気がなかったという変数を想定できる。
予定と実際の違いがわかったところから、次には予定が果たせるように実情を細分化し、アクションを作っていくのである。
予定を実現してもらうための洞察を用意し、実績の精度を上げていくことが、予実管理の一番の仕事だ。
予実管理やFP&Aは、マネジメントの根幹であり、経営側のカギとなる仕事だと言ってよい。
これもすべて、権限がなせる技だと言ってよい。
現実解。
データ分析は、組織全体を眺めて動かすからこそ面白いと覚えておこう。
この逆で「データ分析がつまらない」というケースは、権限がない下請けのような仕事というだけのことが多い。
そんな場合は、権限を付与してくれる組織に移ってしまえばよい。
綺麗事を抜きにすると、仕事はポジショニングでするものだから、堂々と上から攻めよう。
boxcox.net、遠藤武。