キャリアの悩みは、辞めて次に移れれば、99%解決する。
医学科再入学や資格試験によるキャリアチェンジも、
英語×スキル(特に英強数強)で外資企業に行くのも、
こぞってコンサル会社に転職するのも、
事実をありのまま言うと、辞めて次に移れるからである。
データ分析やFP&Aもご多分に漏れず、あっさり辞めて次に移れる。
むしろFP&AやCFOなどファイナンスのプロとして生きていくなら、
クビを覚悟の上で経営陣やCEOと徹底的に議論して、
事業の成長にコミットするべきなのである。
この「クビ覚悟」を「プロとして当然のこと」として語る経営層がいたことを、
FP&Aから知ることができたのは、自分がFP&Aキャリアで得た最も大きな収穫だった。
収穫には2つの要素があり、
組織の中で自分の本音と同じだった人がいたという事実と、
CFOやCMOの要素は、リサーチアナリストと統計学とプロダクト構築とFP&Aの経験ですべてカバーできてしまったという事実だ。
今だから率直に言うと、私の本音として、
組織をいつやめてもコンスタントに成長できるようにしたかった思いが常にあった。
思い返すと、サラリーマン時代にとても臆病だったため、
常に「次はこうしよう」と思って移籍先を探しに動いていた。
またFP&Aに関わる以前、
リサーチアナリストとして事実をありのまま見て、
市場関係者に対して疑いを立てて大局から洞察する立場を経験したことについて、
そのまま組織運営の洞察立てに役立ったという事実は、普通ではなく相当大きい背景だ。
組織内で、経営者や上司や後輩や同僚に対して腹を立てる真面目な人は多いが、
私は洞察を出して先に進むという大枠のゴールがあったので、
いちいち組織内に腹など立たず「まあこんなものだよね」「おお中々やるじゃん」という、
市場分析や品質管理目線で淡々と見つめて価値評価していただけである。
市場動向やメカニズムと、市場関係者インタビューの整合性を取りつつ、
誰がどこで誤解したか、結果として意図せず嘘をついたかを、
事実を把握して仮説を立てて懐疑していくと、
人の本音・バイアス・思惑・次のアクションが浮き彫りになる。
これは市場分析の方法であるが、組織内で予実差異を埋めるアクション作りと何ら変わりはない。
大局を捉える市場分析の技術は、そっくりそのまま組織マネジメントに使えてしまう。
それもそのはず、人にインタビューを行って、
次に何が起こるかを読み取るのだから、
市場分析で関係者に話を聞くことも、
組織マネジメントで関係者に話を聞くことも、
本質は同じなのだ。
統計学や財務モデリングのデータ分析スキルや、
関連する業界知識ももちろん役に立つが、
それ以上に人の動向を読み取る知見が得られたため、
他の組織に移ることなど、いつでもできてしまったのである。
現実解。
いつでもどこでも移れる立場は、本当に強い。
特定の分野のプロが「いつでも移れるようにしておけ」と言っているのだから、
何かのプロであるなら、いつでも辞表を叩きつける勇気を持っていていい。
ここだけの話、楽勝できる成長機会と移籍機会は、あちこちに眠っており、
ちゃんと基礎を押さえている人からすれば、キャリアも人生もとても甘い。
boxcox.net、遠藤武。