経営 その13 〜 指示の出し方。

daily1 商い。
効果的に指示を出すには、前提条件を明確に作り込むことが必要だ。

契約書を作るには、文言の定義や、意図して守るべき利益を、
前提条件として明確に定めておくことが求められる。
経営計画の策定においては、
サービスデザインやマーケティングから、

売上・コスト計画までの一揃えが、前提条件にあたる。

アルゴリズムを組むことは、
コンピュータに特定の前提条件を置いた作業を実行させる、
手続きの指示を下すことに他ならない。

これらは、前提を作り込んだ指示の一種であると言って差し支えない。

振り返って、日々のコミュニケーションで、指示とさえ言うことをためらいそうな、小さな指示を出すとき、あなたはいったいどんな前提を置くだろうか。

特に前提を置かず発話するのか、
少しイラっとしながら言葉を出すのか、
状況を探りながら構造を見つけるのか。

そもそも、なぜここまで振り返って、
指示について掘り下げる必要があるのだろう?

その答えは、
「暗黙知を作らず、明言していくことでこそ、

知性やノウハウを指示に展開できるため」
ということに尽きる。

場当たり的に暗記しようとも、
いつまで経っても議論に堪えうるような、
しなやかな知性はつかない。

いくら過小に見積もっても、
「明確に前提を置いていない」という指示やコミュニケーションからは、
仕組みやノウハウが出来ず、ただただ場をイラつかせて、
時間をロスさせることにしかならない。
(スモールトークですら「いい天気ですね」というような前提がある。)

また、指示の中身が重厚長大であるほど、
前提となる仕組みを明確に設定せずメッセージを発すると、

指示の腰はより簡単に折れてしまう。

その場しのぎでしかないため、問題は取りこぼしだらけだ。
誰にも腹落ちできなければ、それは指示でも何でもない。

明確な知的生産の前提を組まず、その場しのぎで思ったことを言うだけでは、
指示やレビューのようなコミュニケーションをする上では不適格である。

そもそも、このレベルでは誰のモチベーションも上がらない。
要は、前提をいいかげんにしている指示ということは、
目隠しで高速道路を横断することと同じくらい、
危険なコミュニケーションということだ。

失敗する必要のないところで失敗してしまっては、泣くに泣けない。

また、指示が全くもってダメにも関わらず、
クオリティの高いアウトプットや返答が来たとしたら、
それはとんでもないリスクだと、即実感する必要がある。

指示をされる側が、指示をする側より、
はるかにレベルが高いという状況のためだ。

これに喜んでいるようでは、
その人の知性はお話にならないレベルである。

暗黙知にせずにしっかり言い切ろう。

自分より優秀な人を活用するには、
その方が納得するような明確な前提を置いておかなければ、
そのうちあっさりとその場を去ってしまうことに気づこう。

場当たり的に空虚なコミュニケーションしかできないのであれば、
それは頭を使っているとは言えず、仕組みを作れる優秀な人ほど確実にこれを嫌う。

現実解。
明確な前提を置かないということは、
前提が根本的・瞬間的に間違ってしまうことに気づけないのである。

そんな失点を自分から作ってしまっては、
価値を作ることなど出来ないと覚えておくといい。

..遠藤武

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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