物事を建設的に疑って再解釈するとは、なかなか激しいがシンプルである。
例えば、日系企業からの転職で戦略コンサルに入った人から、
「既存の(あなたがいた日系企業の)仕事の仕方は、全て間違っています!リセットしましょう!」
という発想からスタートするという声を、あちこちで聞く。
この目線は、物事を再解釈するコツである。
戦略コンサルに限って言えば、ビジネスモデルも職務分掌も、「コンサルやめたあとはこういうことをしたいね!」と素直に在籍中から言える文化も含め、発想が根本から変わるゆえの通過儀礼なのだろう。
今や誰でも知る最大手外資戦略コンサルに、かつて日本の新卒第一号として入ったという大学の先輩の話を聞くが、その方の発言やキャラクターとも符合する。
同じく、大学在学中に経験したリサーチアナリストは、師匠が「特殊部隊」「ドメイン知識が物理的に足りないため、単なる新卒には無理」と教えてくれた。
その分、アカデミックな発想や、職歴そのものをまるでリサーチのいち過程にしたような切り口の「独自のデータや知見」が役に立つと、後から知ることができたのだが。
実のところ、仕組み化で成長を推し進めることも、データ分析も、研究も、職歴も独立も、まずは「今の常識って根本的に発想が間違っているのでは?」と仮定すると、うまくいくことが多々ある。
素直な目線で基礎知識や立ち居振る舞いの良さを整えることが大前提であり、基礎不足は御法度という厳しさがあるが、
その基礎があると「何が自分に物事として望ましいか?その望ましさから逆算したら、何が不要で間違っていて、何が必要か?」を虚心坦懐に定めることができる。
具体的には、仕事について手の抜きどころを見つけ出して効率を2倍や10倍にすると、その分だけ他のことができる(ただし基礎がなければただのサボりで終わるが)。
その一方で、基礎がない中で突っ走って、大目玉を食らったり破壊的な大失敗を経験し、そこから基礎の大切さを痛感して変わっていく人もいる(そのような学びが世の中を根本から変えることなど多々ある)。
物事の疑い方とは、それくらいシンプルな再解釈であり、骨身に染みてわかるくらいでちょうどいいのだ。
現実解。
あきれるほど根本から疑ってみよう。
誰も見つけていなかった隙間が、意外とあちこちにあると再解釈できるから。
boxcox.net、遠藤武。